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黒執事のアンダーテイカーは死神だった?謎多き過去と正体・真の目的

黒執事のアンダーテイカーは死神だった?謎多き過去と正体・真の目的

「黒執事」に登場するアンダーテイカーは、物語の核心に関わるミステリアスな存在です。表向きは棺に囲まれて暮らす葬儀屋ですが、その正体はかつて死神派遣協会に所属していた伝説の死神。

葬儀屋としての飄々とした振る舞いの裏には、ファントムハイヴ家への深い執着と悲しい目的が隠されています。この記事では、アンダーテイカーの初登場から元死神としての過去、兄シエル蘇生に至るまでの真意を追いながら、その魅力と謎を徹底的に解き明かします。

1. 黒執事のアンダーテイカーとは?名前は本名?

名前 アンダーテイカー
身長 187cm
立場 葬儀屋・ファントムハイヴ家の協力者
声優 諏訪部順一

「黒執事」の登場人物の中でも、アンダーテイカーは圧倒的な人気を誇るキャラクターの1人です。2015年の連載100回記念キャラクター総選挙ではセバスチャン、シエルに次いで第3位にランクイン。死神の中では特に人気が高く、ミステリアスな存在感で多くの読者を惹きつけています。表向きは葬儀屋として棺に囲まれて暮らしていますが、裏では報酬として「極上の笑い」を要求する情報屋としても活動。前髪の奥に隠された素顔はグレルが惚れるほどの美貌を持ちます。

アンダーテイカーの本名は未公開で、作中では本人も「小生」と名乗るのみです。シエルたちも「アンダーテイカー」と呼んでおり、本名を知る人物がいるのかすら不明です。陽気さと闇を併せ持ち、兄シエルを生き返らせようと暗躍する複雑な存在こそ、アンダーテイカーの最大の魅力です。

2. 黒執事でキーパーソンとなるアンダーテイカー

アンダーテイカーは「黒執事」の物語において、鍵を握る存在として重要な役割を担っています。葬儀屋として登場した当初は飄々とした情報屋でしたが、物語が進むにつれ、彼の真の目的や過去が明らかになります。ここでは、そんなアンダーテイカーの歩みと正体に迫ります。

2-1. 初登場は切り裂きジャック事件

アンダーテイカーが初登場するのは「切り裂きジャック事件」(2巻6話)です。独特の笑い声「……ヒッヒ…」とともに棺の中から現れ、葬儀屋としてシエルたちを迎えます。彼は裏社会の情報屋として、金銭ではなく極上の笑いを報酬に求め、シエルに重要な情報を提供。娼婦連続殺人事件の真相に迫る手掛かりを与えました。

棺の上でクッキーを食べながら飄々と語るその姿は、底知れない不気味さと滑稽さを併せ持ち、初登場ながら強烈な印象を残します。このときからすでに、アンダーテイカーは物語の行方を左右するキーパーソンとして存在感を放っていました。

2-2. 豪華客船編で元死神だったと発覚

豪華客船編では、アンダーテイカーの正体が元死神であることがついに明かされます。彼は死者の「走馬灯」を繋ぎ合わせ、死後も動く死体である歪んだ肉人形(ビザール・ドール)を生み出した張本人でした。この禁忌の研究によって、彼は死神界から追放された存在だとされています。死神の使命である「死の回収」を逆転させたその行為は、まさに神への冒涜とも言えるものでした。

また、長い前髪の奥に隠された黄緑色の瞳が初めて描かれたのもこのエピソードです。その瞳は死神特有の光を放ち、彼の過去を決定づける象徴として印象的に描かれました。この事件を境に、アンダーテイカーはシエルの魂を執拗に狙うようになり、物語はさらに深い闇へと進んでいきます。

2-3. 寄宿学校編で見せた裏の顔

寄宿学校編では、アンダーテイカーが英国名門ウェストン校の校長として暗躍します。シエルは監督生たちの不審な行動を追う中で、校長の正体が葬儀屋であることを突き止めました。彼は暁(アウローラ)学会と手を組み、学校で発生した殺人事件の被害者や生徒たちの死体を利用して、ビザールドールの研究を進めていました。葬儀屋は、死を超越する技術を完成させるため、校内を実験場として利用していました。

この事件により、アンダーテイカーの研究が新たな段階に入っていることが明らかになります。かつて裏方として暗躍していた彼が、表舞台に姿を現したことで、物語の緊張感は一気に高まりました。

2-4. 兄シエルの存在と真の目的

シエル・ファントムハイヴという名は、本来は主人公の兄のものでした。双子として生まれた兄弟のうち、爵位と領地を継いだのは兄のシエルであり、弟(現在の坊ちゃん)はその名を借りて生きています。ファントムハイヴ家襲撃の際に兄は命を落としましたが、葬儀屋がその亡骸を密かに回収していました。

豪華客船編や寄宿学校編で行われたビザール・ドールの実験は、兄シエルを蘇らせるための準備だったと考えられます。蘇生された兄は生前と変わらぬ姿と自我を持ち、ついに弟と対峙。アンダーテイカーの真の目的が徐々に明かされ、物語は一気に核心へと進んでいきます。

3. アンダーテイカーの過去と正体

アンダーテイカーは、かつて「伝説の死神」と呼ばれた存在であり、現在の葬儀屋としての姿からは想像できない過去を持っています。彼が死神を辞め、ファントムハイヴ家に強い執着を見せるのには深い因縁と哀しい目的が隠されています。ここでは、彼の過去と真意を紐解いていきます。

3-1. アンダーテイカーの過去

アンダーテイカーは、かつて死神派遣協会に所属していた回収課のエリート死神でした。冥籍番号は「136649」。他の死神たちが人間時代の名を名乗る中で、彼だけは番号で呼ばれており、本名は今も不明のままです。任務を淡々とこなす模範的な死神として知られていましたが、70年前に突如として協会からの脱走を企て、本部を半壊させる大事件を起こしました。

脱走の理由は語られていませんが、後の「死者蘇生」に関する研究との関係が示唆されています。劇場版『Book of the Atlantic』では、彼が「デスサイズを持ち出すのに苦労した」と発言しており、協会の規律を破ってまで独自の研究を続けていたことがうかがえます。脱退後は葬儀屋として裏社会で暗躍し、死体処理や情報取引を行いながら、自身の目的を追い続けているのです。

3-2. ファントムハイヴ家への異常な執着

アンダーテイカーがファントムハイヴ家に執着する理由には、先代当主クローディア・ファントムハイヴとの深い関係があると考えられます。彼はクローディアの遺髪を入れたロケットを大切に保管しており、彼女への強い想いを今も抱き続けています。単なる協力者を超えた関係であった可能性が高く、二人の間には愛情ある絆、もしくは血縁的なつながりがあったのではないかと推測されています。

ファンの間では、アンダーテイカーがクローディアの夫であり、シエル兄弟の祖父にあたるセドリック・K・ロス本人ではないかという説も有名です。この説が事実であれば、彼の異常なまでの執着や、ヴィンセントの死に涙を流した理由にも納得がいきます。彼にとってファントムハイヴ家とは、愛した者の面影を宿す存在であり、その血脈を守り続けることが生きる意味になっています。

3-3. 真シエル蘇生計画への思い

アンダーテイカーの行動の根底には、真シエルの蘇生という明確な目的がありました。彼は兄シエルの死を受け入れることができず、死者蘇生の研究に生涯を捧げます。その集大成が、シネマティックレコードを再生させて肉体を動かすという禁断の「ビザール・ドール」技術でした。豪華客船編や寄宿学校編での一連の行動も、すべてこの最終目標のための実験だったのです。

また、葬儀屋がセバスチャンに抱く敵意には、悪魔との契約によってシエルの魂が奪われることへの恐れがありました。彼はシエルを守るために、セバスチャンの存在を脅威と見なしていたのです。真シエルの蘇生は、ファントムハイヴ家を永遠に存続させたいという執念の象徴でした。その歪んだ愛情は、家族を超えた「血脈への祈り」として、今も物語の根幹を揺るがしています。

まとめ

「黒執事」に登場するアンダーテイカーは、表向きは陽気な葬儀屋ですが、正体はかつて死神派遣協会に所属していた伝説の死神です。死者蘇生の禁忌に手を染め、ファントムハイヴ家の人々と深い因縁を持ちます。特に先代当主クローディアへの特別な想いから、その血脈を守ろうとする異常な執着を見せ、兄シエルを蘇らせるための研究に人生を捧げました。

豪華客船編・寄宿学校編での暗躍もすべてこの計画の一環であり、悪魔セバスチャンへの敵意もまた、シエルを奪われまいとする歪んだ愛情から生まれたものです。

※当記事は2025年10月時点の情報をもとに作成しています

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