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ドラえもんの都市伝説10選|怖い話から意外な事実まで紹介

ドラえもんの都市伝説10選|怖い話から意外な事実まで紹介

ドラえもんは幅広い世代に愛され続けている国民的な漫画作品です。その人気の高さゆえに、公式のストーリーとは異なるさまざまな都市伝説が語り継がれています。最終回に関する衝撃的な内容や、幻のエピソード、不気味な出来事まで、その噂の真相や起源について気になっている人も多いことでしょう。

この記事では、ドラえもんにまつわる有名な都市伝説を10個厳選し、それぞれの内容を解説します。中には意外な事実も含まれているので、ぜひ参考にしてください。

1. ドラえもんの有名な都市伝説10選

ドラえもんは、1969年に連載が始まった国民的人気漫画です。未来から来たネコ型ロボットが、ダメな少年・のび太を助けるという設定で、子どもから大人まで幅広く支持されています。

圧倒的な知名度のある長寿作品で、日本漫画の代表的な存在のため、数多くの「都市伝説」も語り継がれてきました。ここでは、特に有名な10の都市伝説を紹介します。

1-1. ドラえもんが電池切れする最終回

ドラえもんにまつわる都市伝説の中でも、とりわけ有名なのが「電池切れの最終回」です。

ある日突然、ドラえもんが動かなくなり、のび太はドラミちゃんから電池切れが原因と知らされます。電池交換によってドラえもんは再起動できますが、その場合、すべての記憶が消えてしまうことも判明しました。のび太は大切な思い出を守るため、電池を交換しないという選択をします。

以後、のび太はロボット工学を学んで博士号を取り、数十年後に独自の技術で記憶を保ったままドラえもんを復活させることに成功します。この感動的な展開は、のび太自身がドラえもんの開発者であったという結末で締めくくられます。

しかし、この物語は公式の最終回ではなく、ファンによる二次創作を発端として、チェーンメールなどの形で広まったものです。2005年には同人誌として無断出版され、約13,000部が販売されたことで著作権侵害問題に発展したこともあります。

1-2. 植物状態ののび太が見た夢という最終回

ドラえもんの都市伝説の中には、「のび太が植物状態で見ていた夢だった」という衝撃的な最終回の説も存在します。

この都市伝説では、のび太がある日交通事故に遭い、意識を失って植物人間になります。作中で描かれてきたドラえもんとの日常は、すべてベッドで眠るのび太が見ていた夢にすぎなかったという筋書きです。夢の中でドラえもんが未来に帰る場面も、現実ではのび太が病室で涙を流す描写として語られ、母親が「どんな夢を見ているのかしら」とつぶやく場面で物語は終わります。

この噂は1986年頃から子どもたちの間で広まり、小学館に多数の問い合わせが寄せられる騒動となりました。背景には、作者・藤子・F・不二雄さんの入院や、当時の社会不安が影響しているとも言われています。

しかし、作者自身が「そのような突然で不幸な終わり方にはしない」と否定しており、このエピソードは完全な創作であることが明らかになっています。

1-3. 謎の回「行かなきゃ」

ドラえもんに関する都市伝説の中でも不気味なものの1つが、1996年9月23日の深夜に放送されたとされる謎の回「行かなきゃ」です。

この都市伝説は、のび太が真っ暗な背景の中をひたすら歩き、最後に振り返って「行かなきゃ」とつぶやいたという内容です。匿名掲示板の「昔、ドラえもんの変な回を見た」という目撃談の書き込みを発端として、一部の視聴者に語られてきました。中にはのび太の姿が藤子・F・不二雄さんに変わる、ドラえもんとの会話があるなど、複数の目撃例があります。

ちょうど藤子・F・不二雄さんが亡くなった時間と放送日が重なっていたことから、「原作者の遺志による追悼番組ではないか」との説も浮上しました。しかし、実際にはその放送日時にドラえもんは放送されておらず、テレビ朝日もそのような内容を「放送していない」と明確に否定しています。

そのため、「行かなきゃ」は最初の投稿者の何らかの記憶違いに尾ひれがついた可能性もある、信憑性の薄い都市伝説です。

1-4. 幻の回「タレント」

1984年7月20日に放送されたとされる謎の回「タレント」は、ドラえもんの都市伝説の中でも特に不気味なことで知られています。

「タレント」回の放映内容はのび太とドラえもんが地下世界に迷い込み、地底人に遭遇したり、地球儀が割れる場面を目撃したりするというものです。全編を通して作画が崩壊しており、タイトルの文字や登場人物の顔がゆがんでいた、配色が異常だったなど、通常の放送とは大きく異なるとされています。

実際にはこの回は実在せず、1984年当日に放送されたのは別のエピソードであることが公式記録から判明しています。

最初の書き込みは2002年のインターネット掲示板とされており、以後も同様の証言が断続的に投稿されました。しかし、目撃者はいても実際の映像や確たる証拠は一切存在せず、「タレント」は掲示板上の噂が拡散し都市伝説化した可能性が高いと言えます。

文字の歪みから「死ネ」と読めるという説などが匿名掲示板の盛り上がりから加わり、話に尾ひれがついて現在の形に膨らんだと考えられています。

1-5. 「のび太とアニマル惑星」の謎の声

1990年に公開された映画「のび太とアニマル惑星」には、不気味な“謎の声”が紛れ込んでいるという都市伝説があります。

問題のシーンは、スネ夫が「ジャイアン、何を言い出すんだよー」と発言した直後に発生します。画面上では誰も口を動かしていないにもかかわらず、「おぉーん」といううめき声のような音が挿入されており、視聴者の間で大きな話題を呼びました。

声の入った原因として可能性が高いのは、のび太もしくはジャイアンの声優によるアドリブを編集段階で消し忘れた、もしくは編集ミスで無関係の音声が入ったという説です。

1-6. 謎の6人目の友達

1979年に放送されたTVアニメ版「ドラえもん」の初期エピソード「ゆめの町、ノビタランド」には、主要メンバー5人に加えて、もう1人の「謎の少年」が登場します。青い帽子と黄色いTシャツを着た、背の高いひょろっとした体型の少年で、のび太たちと自然に行動をともにしているにもかかわらず、以降のエピソードでは登場しません。

長年ファンの間では、原作3巻に登場する「安雄」と同一人物で、作画ミスの結果別人に見えるとされてきました。2019年のリメイク版において「安雄」と別のキャラクターとして描かれたことで、この説は否定されています。

1-7. のび太の年齢は20歳以上

のび太には「実は20歳を超えている」という都市伝説があります。

この説は、1977年に「テレビくん」別冊付録に掲載されたエピソード「無人島へ家出」がもととなっています。内容は以下の通りです。

ある日、両親に叱られたのび太は、ドラえもんの道具を持ち出して無人島へ家出します。最初は軽い気持ちでしたが、タケコプターを失い帰れなくなったことで、10年間も1人で無人島生活を送ることになります。

その後、偶然見つけたSOS発信機によってドラえもんが迎えに来ます。のび太は「タイムふろしき」で元の姿に戻りますが、実際の年齢は20歳のままです。

のび太の見た目は子供のまま、しかし中身は大人になっているこのエピソードから、「のび太の実年齢は20歳を超えている」という都市伝説が生まれました。

1-8. 実は怖いひみつ道具

ドラえもんのひみつ道具の多くは、夢があり便利なものです。しかし、中には危険で怖いものも存在します。

・呪いのカメラ

撮影した相手と連動する人形を作り出す道具であり、人形に与えられた痛みが本人にも伝わるという恐ろしい機能があります。作中ではのび太が面白がって家族を撮影し、その人形を乱暴に扱ったため、実際の人物に影響が出てしまい騒動となりました。

・人間製造機

人間を人工的に作り出せる道具ですが、実際には超能力を持つ凶暴なミュータントが誕生してしまう重大な欠陥がありました。未来世界では、ミュータントが人間を征服しようとして国連軍と戦う事態に陥ったというエピソードも語られています。

・悪魔のパスポート

かざせばどのような悪事でも許される恐ろしい道具です。最初はのび太も興味本位で使用しますが、次第に罪悪感に苛まれ自分の行動を後悔することになります。

・どくさいスイッチ

気に入らない人物を世界から完全に消し去るひみつ道具です。作中ではのび太が自分をいじめるジャイアンをはじめとして、気に入らない人物を片っ端から消した結果、のび太以外の全人類が消滅します。実際は独裁者を懲らしめるための道具として作られたと作中では語られていますが、かなり危険なことに変わりはありません。

このような怖い道具がある面も、ドラえもんの魅力です。

1-9. いなくなったドラえもんの妹「ガチャ子」

ドラえもんの妹には、現在知られている妹のドラミちゃん以前に、「ガチャ子」が存在しました。

ガチャ子は1970年に雑誌「小学一年生」と「小学二年生」に登場したアヒル型ロボットです。ドラえもんのようにひみつ道具を出すことができますが、口から出すという特殊な仕様で、自身も空を飛ぶ能力があります。

のび太のお世話役として未来から送り込まれましたが、ドラえもんとのお世話役争いを起こしたり、ドタバタとしたトラブルばかり引き起こしたりする破天荒な性格でした。そのため、作者の藤子・F・不二雄氏自身が「漫画の焦点が分裂するため、いなかったことにした」と述べています。

コミックスには一切収録されず、わずか5回の登場で姿を消したガチャ子は、現在では幻のキャラクターとして都市伝説的な扱いを受けています。

1-10. 本名のないジャイ子

ジャイアンの妹・ジャイ子は、都市伝説では「香」という本名があると言われています。しかし、実際には本名がありません。

藤子・F・不二雄さんは「もしジャイ子と同じ名前の子が現実にいたら、いじめられてしまうかもしれない」との懸念から、本名をあえて設定しませんでした。ジャイアンという強烈なキャラクターを持つ兄の妹であるため、名前の印象が与える影響にまで配慮された結果でした。

まとめ

ドラえもんの都市伝説は、多くが公式とは関係なくファンや視聴者によって自然発生したものです。実際には作者や制作陣によって否定されているものも多くありますが、噂が生まれる背景には、作品への深い愛情や関心、そしてそれぞれの時代背景が反映されています。

ただし、ドラえもんは長期連載漫画であり、多くのクリエイターが漫画やアニメにかかわったこともあって、意外なエピソードや設定変更があったことも事実です。また、藤子・F・不二雄さんが大人向け漫画ではブラックでシニカルなSF作品を得意とした点も、不気味な都市伝説が生まれた理由でしょう。

※当記事は2025年6月時点の情報をもとに作成しています

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