マリオシリーズは、主人公マリオと敵キャラクターたちとの戦いを軸にしたアクションゲームです。プレイヤーの前に立ちはだかる敵たちは、単なる障害物ではなく、それぞれに独自の設定や攻撃方法、行動パターンを持っています。
中でも「クッパ軍団」は、マリオの宿敵クッパを筆頭に、シリーズごとに異なる戦略やギミックで登場し、ゲームの難易度や世界観を彩っています。また、クリボーやノコノコといった雑魚キャラクターは、シリーズを通じてプレイヤーにとって身近な存在でもあります。
この記事では、マリオシリーズに登場する代表的な敵キャラクターについて、ボス級と雑魚キャラに分けて解説します。
1. マリオシリーズとは
マリオシリーズは、1985年に任天堂から発売された「スーパーマリオブラザーズ」をはじまりとするアクションゲームシリーズです。発売当初から世界的な人気を博し、家庭用ゲーム機ブームの中心的存在となりました。主人公のマリオは、赤い帽子とオーバーオール、特徴的なヒゲを持つ配管工で、ピーチ姫を助けるために冒険を繰り広げます。
マリオシリーズは長年にわたり、続編やスピンオフを多数展開しており、シリーズ累計の販売本数は7.6億本を超えるとされています。世界中のゲームファンに親しまれ続ける、象徴的なゲームシリーズです。
2. マリオのライバル・クッパ軍団の主な敵キャラクター
マリオシリーズには、主人公マリオの行く手を阻む敵キャラクターたちが数多く登場します。その中心にいるのが、クッパを総帥とする「クッパ軍団」です。初期の作品では「カメ帝国」や「カメ一族」と呼ばれることもありました。
以下では、クッパ軍団の主なキャラクターを紹介します。
2-1. クッパ
クッパは、マリオシリーズにおける最大の悪役キャラクターであり、「大魔王クッパ」または「クッパ大王」と呼ばれています。シリーズ初期には「カメ帝国」の支配者として登場し、以降はクッパ軍団を率いるリーダーとして、多くの作品でマリオの前に立ちはだかります。
代表作『スーパーマリオブラザーズ』では、ピーチ姫をさらうことで物語が始まる構図が確立され、後の作品でも同様の展開が繰り返されています。クッパはほとんどの場合物語のラスボス戦で戦うことが多く、炎を吐いたり、強力な体当たりやハンマー攻撃を繰り出したりと、パワーに優れた戦闘スタイルが特徴です。また、小型飛行船「クッパクラウン」に乗って戦う姿もおなじみです。
悪役としての立場に加え、レースやパーティ、スポーツゲームにも多数登場し、シリーズ全体を通じて重要な役割を担うメインキャラクターです。
2-2. クッパJr.
クッパJr.は、『スーパーマリオサンシャイン』で初登場したクッパの息子です。父親譲りのわがままな性格ながら、部下や父親への思いやりを見せる一面もあり、時折繊細な心情が描かれることもあります。クッパがパワー重視の戦い方を得意とするのに対し、クッパJr.はスピードとテクニック、メカの扱いに長けている点が特徴です。
登場時には魔法の絵筆「マジックブラシ」を使っていたほか、近年の作品では「クッパJr.クラウン」と呼ばれる小型の飛行メカに搭乗し、火を吐いたりギミックを活用した攻撃を行います。
2-3. クッパ7人衆
クッパ7人衆は、クッパ軍団の中でも特に目立つ存在で、個性豊かな7人のカメ族キャラクターから成るグループです。1988年発売の『スーパーマリオブラザーズ3』で初登場した当初は「クッパの子どもたち」とされており、「コクッパ7兄弟」とも呼ばれていました。
その後、クッパJr.の登場により設定が整理され、現在では「クッパの部下」として扱われています。2014年には「クッパ7人衆」という正式な呼び名が定着し、以降もさまざまな作品で活躍しています。
各メンバーは見た目や攻撃方法にそれぞれ特徴があり、ボスキャラクターとして登場する場面も多いキャラクターです。
2-4. カメック
カメックは、『スーパーマリオワールド』で初登場した魔法使いのカメ族で、青いローブとメガネが特徴的なキャラクターです。手にした杖から放つ魔法で攻撃したり、ブロックをコインや敵に変化させたりする能力を持ちます。名前は「カメ」と「マジック」を組み合わせたものとされています。
初期作品ではザコ敵の1種として登場していましたが、『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』以降は、ベビィクッパの側近として物語に深く関わるようになりました。以後のシリーズでも、クッパ親子の参謀役や魔法使いとして、たびたび重要な役割を担っています。
2-5. テレサ
テレサは、『スーパーマリオブラザーズ3』で初登場した、白くて丸い体が特徴的なオバケの敵キャラクターです。いたずら好きでマリオの背後からじわじわと近づいてくる一方、正面から見つめられると恥ずかしがって動けなくなるというユニークな性格をしています。名前の由来は「照れ屋」にちなんでいるとされています。
幽霊キャラらしく、実体がないため、ジャンプやファイアボールなどの攻撃方法が効かないのが特徴です。
3. マリオシリーズの主な雑魚キャラクター
[1985年]1-1で登場する最初のクリボー。世界中でマリオを倒した回数で言ったら、このクリボーは一番多いかもしれません。 #思い出マリオ #スーパーマリオブラザーズ pic.twitter.com/MyGh4K3wv7
— スーパーマリオブラザーズ35周年 (@supermario35th) September 3, 2020
マリオシリーズには、ボスキャラクター以外にも数多くの雑魚キャラクターが登場します。メジャーなキャラからマイナーなキャラまで、それぞれがユニークで、道中を盛り上げるのもマリオシリーズの魅力です。
以下では、マリオシリーズのレギュラーである雑魚敵キャラ達を紹介します。
3-1. クリボー
クリボーは、『スーパーマリオブラザーズ』で初登場した、マリオシリーズを代表するザコ敵です。キノコ王国を裏切り、クッパ軍団に加わった存在として描かれており、茶色く丸みを帯びた体に鋭い眉と牙が特徴的です。なお、クリボーという名前ですが、モチーフは栗ではなくシイタケであることが、任天堂の公式インタビューで明かされています。
ゲームの中では、左右に単純な動きを繰り返すだけの敵で、プレイヤーがジャンプで踏みつければ一撃で倒すことができます。その手軽さから、シリーズを通してプレイヤーが最初に出会う敵として登場することが多く、ゲームの操作に慣れるための導入役としても機能しています。
3-2. ノコノコ
ノコノコは、『スーパーマリオブラザーズ』で登場したクッパ軍団の下級兵士で、クリボーと並んでマリオシリーズを代表する敵キャラクターです。シリーズ初期では四足歩行でしたが、『スーパーマリオワールド』以降は二足で歩く姿が定着しています。甲羅の色は赤や緑など複数あり、動き方にも違いがあります。
ノコノコの特徴は、ジャンプで踏むと甲羅の中に引っ込むことです。この甲羅を蹴ったり投げたりすることで、ほかの敵を倒したり遠くのブロックを壊したりと、ゲームプレイの幅を広げる存在になっています。
また、スピンオフ作品では仲間や味方として登場することも多く、マリオカートやマリオパーティシリーズなどでは操作キャラクターとしても活躍します。
3-3. パタパタ
パタパタは、羽が生えたノコノコで、空を飛ぶことができる敵キャラクターです。初登場は『スーパーマリオブラザーズ』で、ノコノコと同様にクッパ軍団の一員として登場します。
プレイヤーが踏みつけると羽が取れて通常のノコノコに戻るのが特徴です。空中ステージでは、足場のように使われることもあり、マリオがパタパタを踏みながら進む仕掛けとして活躍する場面もあります。
『マリオテニス64』ではプレイヤーキャラクターとして登場し、その後もマリオカートシリーズやスポーツゲームでマリオファミリーの一員として登場する機会が増えました。
3-4. ハンマーブロス
ハンマーブロスは、『スーパーマリオブラザーズ』で初登場したカメ族の敵キャラクターです。頭にはヘルメットをかぶり、手にしたハンマーを連続して山なりに投げるという独自の攻撃スタイルを持っています。「ブロス(ブラザーズの略)」の名の通り、2匹セットで登場することが多く、チームでの行動が特徴的です。
ノコノコとは異なり、踏んでもコウラにこもることはなく、そのまま倒されるタイプの敵です。遠距離からの攻撃やランダムなジャンプ移動などにより、初期の作品では非常に手ごわい相手として知られていました。
アクション以外の作品でも、クッパ軍団のエリート兵士として扱われることが多く、存在感のあるキャラクターです。
3-5. パックンフラワー
パックンフラワーは、『スーパーマリオブラザーズ』で初登場した人食い花型の敵キャラクターです。土管から突き出すように姿を現し、大きく開いた口でかみつこうとする様子が特徴です。多くの作品では、上を向いて出現するため踏みつけで倒せず、ファイアボールなどで倒すのが基本です。
パックンフラワーは『スーパーマリオUSA』を除くすべてのシリーズに皆勤賞の雑魚キャラクターで、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』ではプレイアブルキャラクターに選ばれました。
3-6. ワンワン
ワンワンは、『スーパーマリオブラザーズ3』で初登場した敵キャラクターで、黒い鉄球のような姿に大きな口と鋭いキバを持っています。見た目や行動が犬に似ていることから、名前や鳴き声も犬を意識したものになっています。多くの作品では杭に鎖でつながれた状態で登場し、一定範囲内で激しく跳ねながらマリオを威嚇します。
基本的に攻撃は効かず、無敵の存在ですが、近づかなければ被害は受けません。
これら以外にも、以下のようなザコ敵はシリーズの常連です。
- ヘイホー
- キラー
- トゲゾー
- メット
- ジュゲム
- ボム兵
- カロン
- プクプク
- ゲッソー
まとめ
マリオシリーズの魅力の1つは、個性豊かな敵キャラクターの存在にあります。クッパをはじめとしたコミカルながら歯ごたえのあるボスキャラクターは、プレイヤーにとっての挑戦要素としても重要です。
一方で、雑魚キャラクターの多くはシンプルな行動でありながら、ゲームのテンポや難易度を調整する役割を担っています。長年にわたりシリーズに登場し続けるキャラクターが多いのは、それだけプレイヤーに愛され、認知されている証拠と言えるでしょう。
※当記事は2025年6月時点の情報をもとに作成しています