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ポケモンの都市伝説を徹底解説|怖い噂や悲しい設定を紹介

ポケモンの都市伝説を徹底解説|怖い噂や悲しい設定を紹介

ポケットモンスター(ポケモン)シリーズには、長い歴史の中でファンの間に広まった都市伝説や、公式ながらも驚きを誘う設定が多く存在しています。特に初期のゲームやアニメには、意図的に説明が省略された演出が多く、不気味な噂や悲しい考察が生まれるきっかけとなってきました。

この記事では、ポケモンにまつわる有名な都市伝説と、公式設定から読み取れるポケモンの悲しい・怖い設定をそれぞれ紹介します。ポケモンの裏側に隠されたもう1つの世界を知る手がかりとしてご活用ください。

1. ポケモンの怖い・不気味な都市伝説5選

ポケットモンスターは、1996年にゲームボーイ向けソフトとして登場して以来、世界中で人気を集め続けている作品です。アニメや映画、カードゲームなど多彩な展開で知られ、特に可愛らしいポケモンたちは子供から大人まで幅広いファンを魅了してきました。

しかし一方で、ポケモンの世界には不気味な都市伝説も存在しています。ここでは、ファンの間で語られている代表的な都市伝説を紹介します。

1-1. もりのようかん

「もりのようかん」は、「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」に登場する、ホラー要素の強いスポットです。「ハクタイのもり」の奥にひっそりと存在し、人気のない洋館には不気味な専用BGMが流れ、探索するだけでも背筋が凍るような演出が施されています。

館内は長年放置されていたかのように荒廃しており、ひび割れた床や剥がれた壁の隙間からは、ゴーストタイプのポケモンが出現します。

「プレイヤーを見つめる絵画」や「意味深なメモ」といった仕掛けが恐怖心をあおる中で、特に話題となったのが「足を動かさずに浮遊する少女と老人」の存在です。これらのキャラクターには会話イベントもなく、ただプレイヤーの視界に現れては消えていくため、まるで幽霊のような印象を与えます。

公式には一切説明されていない現象でありながら、プレイヤーに強烈な印象を残したこの洋館は、いまなお「ポケモン界の心霊スポット」として知られています。

不気味なスポットのため、ファンの中では「実在の心霊スポットがモチーフになっている」などの都市伝説や怪談がいくつも作られました。

1-2. ゲンガーの正体

ゲンガーには「ピクシーにゴーストが憑依した姿」という都市伝説が存在しています。この説は、両者の見た目や能力、図鑑設定などに数多くの共通点が見られることが根拠となっています。

まず注目されるのが外見の類似性です。ピクシーとゲンガーはどちらも丸みを帯びた体型で、角のような突起や背中の出っ張りもよく似ています。

さらに、ゲンガーの身長は1.5m・体重は40.5kg、ピクシーは1.3m・40.0kgと、数値的にもほとんど差がありません。ゲンガーの進化前であるゴーストの体重が0.1kgしかないことを踏まえると、進化によって40kg以上増加するのは不自然です。

ゲンガーがマジカルシャインといったフェアリー系の技を覚えることも、ピクシー由来の能力と解釈できます。

これらの一致から、ゲンガー=ピクシーに取り憑いたゴーストという都市伝説が生まれました。

1-3. ダークライの誕生秘話

幻のポケモン「ダークライ」には、ある少年がデザインしたという都市伝説が存在します。噂によれば、アメリカの少年が夢で見たポケモンを描き、それがダークライの原案として採用されたとされています。しかし、その少年は後に亡くなり、ミオシティで悪夢にうなされる子供のモチーフとしてゲーム内に登場したとも言われています。

実際には公式に裏付けられた情報はなく、ダークライのデザインはゲームフリークのスタッフによるものです。

ダークライという名前の由来は、「ダーク(闇)」と「暗い」の語呂合わせであり、英語と日本語が混在する点からも、この都市伝説は信憑性に欠けるとされています。

1-4. レッド幽霊説

「ポケットモンスター 金・銀」に登場する、初代ポケモンの主人公・レッドには、「実は幽霊だったのではないか」という都市伝説が存在します。

この都市伝説の根拠とされたのは、いくつかの演出です。シロガネ山の最奥に突然現れる彼は、一切言葉を発さず、バトル後も無言のまま姿を消します。しかも洞窟の最深部だけが不自然に明るく、「冒険に出てから連絡がない」と語る母親のセリフも不穏さを助長しました。

しかし、レッドはその後のシリーズ作品に登場しており、明確に存命であることが確認されています。無口な演出は初代主人公としての個性を反映したものであり、幽霊説は公式に否定された都市伝説の1つです。

1-5. レジ系ポケモンと戦争

「ポケットモンスター ルビー・サファイア」に登場する伝説ポケモン、レジロック・レジアイス・レジスチルには、戦争と関係があるという都市伝説が存在します。

ホウエン地方は九州をモデルにしており、3体が封印された遺跡の位置が、太平洋戦争で空襲・原爆被害のあった地域と重なるという説が噂の発端です。

さらに、彼らが覚える技「だいばくはつ」や、第4世代以降でレベル89に修得する「はかいこうせん」が、大規模爆発や8月9日=長崎原爆の日を連想させるという指摘もあります。

しかし、実際には地理的な位置は一致しておらず、技の修得レベルも後発の作品で変更されたものです。点字による封印解除も深い意味を持たせた演出の一環とされ、戦争との関連性については公式な発表がなく、信憑性は低いとされています。

さらに、イギリスをモチーフとしたガラル地方が舞台の「ポケットモンスター ソード・シールド」で、レジエレキ・レジドラゴという新しいレジ系ポケモンが現れたため、現在戦争暗喩説は否定されています。

2. ポケモンの悲しい・怖い設定5選

ポケモンシリーズの魅力は、それぞれのポケモンが持つ生き生きとした設定にもあります。一方で、悲しい設定や怖い設定を持つポケモンも複数存在します。

以下では、実は悲しい・怖いことがポケモンずかんの説明文に書かれているポケモン5種を紹介します。

2-1. カラカラ

カラカラは、「こどくポケモン」に分類される地面タイプのポケモンで、常に母親の頭蓋骨を被っているという設定を持ちます。図鑑の説明では、死に別れた母親を思い出しては泣き、その涙が骨に染みをつくるとされています。

特に「ポケモン赤・緑や「ポケモンGO」などでは、満月を見て母の面影を重ね、大声で泣く姿が描かれたほか、シオンタウンに現れる幽霊の正体がカラカラの母・ガラガラであるというイベントも、プレイヤーに強い印象を残しました。

2-2. ユンゲラー

ユンゲラーは、初代「ポケットモンスター 赤・緑」から登場を続けている、エスパータイプのポケモンです。「ある朝、超能力少年が目覚めるとユンゲラーに変身していた」という、人間がポケモンに変身したという説がポケモンずかんに書かれており、多くのプレイヤーに衝撃を与えました。

その後の「エメラルド」や「サン」でも、ユンゲラーの出自がエスパー少年であるという描写が続き、「超能力の暴走によって姿を変えた存在」との考察が広まりました。

ただし、初代のポケモンずかんの説明を補足する、1996年発売の「ポケットモンスター図鑑」では、ポケモンずかんの説明は作中の小説「変身」からの引用とされています。

2-3. デスマス

デスマスは「ポケットモンスター ブラック・ホワイト」で初登場したゴーストタイプのポケモンで、幽霊のような黒い体と、手に黄金の仮面を持つ特徴があります。この仮面について、「ソード」の図鑑では「持っているマスクは人だったころの自分の顔」と記されており、デスマスはかつて人間だった魂が変化した存在であるとされています。

さらに「シールド」では、「自分の顔を知る人を探して遺跡をさまよう」と記述されており、生前の記憶が残っているという不気味な設定が明かされました。

かつて人間であったという設定と、強い未練を残してこの世をさまよう描写が、ポケモンとは思えないほどの悲哀を漂わせています。

なお、進化したデスカーンは「もはや人間だったことは思い出すことはないという」と説明されているのも怖い点です。

2-4. ボクレー

ボクレーは「ポケットモンスター X・Y」で初登場した、ゴースト・くさタイプのポケモンです。切り株のような姿と大きな目、幼い印象のある小さな体が特徴です。

「バイオレット」の図鑑には「死んだ子供の魂が切り株に宿ったポケモン」と記されており、ボクレーはかつて命を落とした子供たちの魂そのものであると明かされています。

寂しさを紛らわすためか、ボクレーは子供の声を真似て人間を森に誘い込み、自らの「仲間」にしようとする性質を持ちます。「仲間」という言葉の意味を深読みすれば、人間をボクレーに変えることを暗示しているとも受け取れる、怖い設定を持つポケモンです。

2-5. フワンテ

フワンテは「ダイヤモンド・パール」で初登場したゴースト・ひこうタイプのポケモンで、「ふうせんポケモン」と分類されています。風船のような姿と愛らしい表情からは想像できませんが、実は不気味な設定を持つ存在です。

「ポケモンレジェンズ アルセウス」では、「幼子 惑わし 彼岸へ 連れ去ると 伝えられし ポケモン」と書かれており、死後の世界へ子供を連れていく存在とされています。

さらに、フワンテを持っていた子供が突然消えてしまったという噂もあり、見た目に反して子供を行方不明にする恐ろしいポケモンです。

まとめ

ポケモンの世界には、明るく楽しいだけでなく、時に不気味で悲しい一面も描かれています。今回紹介した都市伝説や設定の中には、子供向け作品とは思えないほど深いテーマや背景を含んでいるものも存在します。

これに限らず、さまざまな都市伝説が生まれるのは、ポケモンのもつ世界観に、思わず裏設定を考えたくなる奥深さや魅力があるためです。公的な設定としても、遺伝子操作で生まれたミュウツーや、この記事で紹介した各種ポケモンをはじめとした少し怖く悲しい、子供向けだけでない要素が存在します。ゆえに、ポケモンは子供だけでなく大人の多くのファンも魅了してきました。見た目のかわいさの裏にある複雑な世界観に触れることで、作品の奥行きを改めて感じることができるでしょう。

※当記事は2025年6月時点の情報をもとに作成しています

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