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タコピーの原罪はやばい?最終回がひどい?理由を分かりやすく考察

タコピーの原罪はやばい?最終回がひどい?理由を分かりやすく考察

「タコピーの原罪」は、SNSを中心に「やばい」と大きな話題を呼んだ衝撃作です。かわいらしい絵柄からは想像できないほど重いテーマを描き、いじめや虐待など現実に根差した問題が容赦なく突きつけられる作品です。善意だけで動くタコピーの存在が物語をむしろ残酷な方向へ導いてしまうギャップは、多くの読者に強烈な印象を残しました。

当記事では、「タコピーの原罪」が「やばい」と言われる理由と、最終回への評価について詳しく解説します。

1. タコピーの原罪とは

「タコピーの原罪」は、タイザン5さんによる漫画作品で、2021年に「少年ジャンプ+」で連載開始されるとSNSを中心に瞬く間に話題となりました。全2巻という短編ながら累計145万部を突破し、「このマンガがすごい!2023」オトコ編で第3位に選出されるなど高い評価を得ています。

本作は「ハッピーを広めるため」に地球へやって来たタコピーと、彼に出会った小学4年生の少女・久世しずかを中心に展開。かわいらしい絵柄からは想像できないほどの重いテーマを扱い、タコピーの善意が時に残酷な結果を招くというギャップで読者を惹きつけました。2025年6月にはアニメ化も果たし、さらに注目を集めています。

2. タコピーの原罪が「やばい」と言われる理由

「タコピーの原罪」は、その重すぎる内容から「鬱アニメ」「やばい作品」と評されることが多い作品です。いじめや虐待、複雑な人間関係に加え、タコピーの善意が事態を悪化させる展開など、衝撃的な要素が詰まっています。ここでは、その理由を詳しく解説します。

2-1. 容赦のないいじめ描写がやばい

「タコピーの原罪」が「やばい」と言われる理由の1つは、容赦のないいじめ描写です。主人公・久世しずかは、クラスの中心人物であるまりなから執拗ないじめを受けています。全身痣だらけで泥にまみれ、ランドセルやノートも破られボロボロの状態。教室では「寄生虫」と呼ばれ、蔑まれるような言葉を浴びせられることもあります。教室や校庭に呼び出され、顔を叩かれるなどの身体的な攻撃を受ける場面も描かれています。

教師や周囲の大人が見て見ぬふりをしている構図も描かれており、現実社会にある問題を突きつけるようなリアリティを持っています。単なる言葉の嫌がらせにとどまらず、しずかの日常そのものが徹底的に壊されている様子が克明に描写され、読者に強烈な衝撃を与えます。

2-2. メインキャラクターが受けている虐待がやばい

メインキャラクターであるしずか、まりな、東くんはそれぞれの親から、異なる形で虐待を受けています。しずかは母親から放置され、散らかった家で孤独に過ごすネグレクト状態に置かれています。まりなは浮気を繰り返す父と常に口論する母から、ストレスのはけ口として暴力や強制を受けています。さらに東くんは「勉強で100点を取れなければ許されない」という条件付きの愛を押し付けられ、優秀な兄と比較され続ける中で虐待を受けていました。

安心できるはずの家庭環境がそれぞれに崩壊しており、その歪みが学校での人間関係やいじめへとつながっていきます。子どもたちが背負う過酷な現実は読む人の心を重くし、作品の異様な緊張感をさらに高めています。

2-3. 東くんをコントロールしようとするしずかちゃんがやばい

しずかは東くんに対し、まりなの死を隠すだけではなく「自分の代わりに犯人として自首してほしい」と頼み込みます。本来なら恐ろしく重いお願いです。しかし、母親から失望され「見捨てられてる」と感じている東くんは、しずかに「必要とされたい」「役に立ちたい」と思う気持ちを巧みに突かれ、彼女の手を握られるだけで心を支配されてしまいます。

まりなの死体隠蔽に協力させ、さらに罪を背負わせようとするしずかの姿は、純真さを装いながらも計算高く、周囲を翻弄する魔性の女のよう。罪を押しつけられようとする東くんの無垢さと、しずかの冷徹さの対比は強烈で、読者に「しずかちゃんやばい」と言わせる大きな要因となっています。

2-4. タコピーの善意がすべてを悪化させるストーリーがやばい

タコピーはハッピーを広めるために地球へやってきましたが、悪意を知らない彼の純粋な善意は、しずかの苦しみを理解できずに事態を悪化させていきます。しずかがいじめられて泥だらけで現れても「仲直りすればいいよ」と笑い、母子家庭であることも「人間ってママ1人で子どもを産めるんだ!」と感動するばかり。

ある日、タコピーはしずかにハッピー道具「仲直りリボン」を手渡しますが、それを使ったしずかは首を吊ってしまいます。タコピーは、自分の善意が彼女を壊したことに動揺し、絶望の末にハッピー道具「ハッピーカメラ」で時間を巻き戻そうと決意します。その後も、タコピーの無垢な行動は予期せぬ形で周囲を追い込み、物語はさらに残酷な展開になっていきます。無垢な優しさが最も残酷な結果を招く展開こそ、本作が「やばい」と言われる大きな理由の1つです。

3. タコピーの原罪の最終回がひどいと言われる理由を考察

「タコピーの原罪」は、衝撃的な展開で話題を呼んだ一方、最終回については賛否両論が寄せられています。唐突なハッピーエンドや解決されない問題、リセットされたキャラクター描写などが「ひどい」と感じられる要因となっています。ここでは、最終回に対して視聴者が抱いた違和感や不満点について考察します。

3-1. 唐突なハッピーエンドに違和感がある

最終回では、これまで深刻な対立関係にあったしずかとまりなが、タコピーの残した落書きをきっかけに和解し、仲良くなるという展開で幕を閉じました。しかし、それまで重苦しいいじめや葛藤が描かれてきたため、「ここまで拗れていた関係が、こんなにあっさりと修復されるのは現実味に欠ける」と違和感を抱いた読者も少なくありません。特に救いのない展開が続いていたことから、唐突な和解に「ご都合主義的」との声が上がりました。

一方で、過酷な物語をハッピーエンドで締めくくった点を「救われた」と受け止める読者もおり、賛否が分かれる結果となりました。

3-2. 根本的な問題が解決していない

物語の根幹にある家庭環境の問題が解決されていない点も、最終回が「ひどい」と言われる理由です。しずかが受けていた母親のネグレクトや、まりなの家庭におけるアルコール依存や暴力などは、タイムリープ後の世界でも続いている様子が描かれています。

実際、高校生になったまりなが「今日ママやばそーだからケーキ買って帰る」と話す場面からも、その状況が変わっていないことが分かります。タコピーの犠牲によって子ども同士の関係は改善されたものの、根本的な家庭問題には一切触れられず、読者の間では「結局リセットされただけ」との声が上がりました。

しかし、「現実と同じくすべてを解決することはできない」というリアルさや、暗い状況下でも友情が芽生えた点を評価する意見もあり、賛否両論を呼んでいます。

3-3. キャラクターの成長がすべてリセットされた

物語の結末に違和感を抱く読者が多かった理由の1つが、キャラクターたちの成長がリセットされてしまった点です。しずかやまりな、東くんは過酷な現実に向き合い、苦しみや葛藤を通して少しずつ変化していく姿が描かれてきました。しかし最終話では、タコピーの力によって記憶がすべて消され、これまでの経験が「なかったこと」になってしまいます。そのため「積み上げてきたものが無駄になった」と残念に感じる声も少なくありませんでした。

一方で、「過去の重荷を背負わずに新しい人生を始められる」と前向きに受け止める意見もあります。成長のリセットは虚しさと救いの両方を含んだ結末だったからこそ、賛否が分かれています。

まとめ

「タコピーの原罪」は、かわいらしい絵柄からは想像できないほど重いテーマを描いた作品です。いじめや虐待といった現実的な問題が容赦なく描かれ、さらにタコピーの純粋な善意が事態を悪化させていく展開が「やばい」と話題を集めました。

最終回ではしずかとまりなが和解し友情を育む姿が描かれる一方、家庭問題が未解決のまま残され、キャラクターの記憶がリセットされた点に違和感を抱く読者も多くいました。そのため、衝撃的かつ感動的でありながらも、賛否両論の結末となっています。

※当記事は2025年10月時点の情報をもとに作成しています

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