OSTとは、Original Sound Trackの略で、ドラマや映画のために作られた音楽を指す言葉です。韓国ドラマで心に残った曲を調べると必ず目に入る3文字ですが、サントラや主題歌と同じものなのか分からないという方も多いでしょう。
当記事では、OSTの意味と由来、似た言葉との違い、韓国ドラマでOSTが重視される理由、代表曲などを解説します。
1. OSTとは?
OSTとは、Original Sound Trackの略で、ドラマや映画などの作品のために作られた音楽を指します。映画やテレビ番組、ゲームソフトのように、特定の作品のために制作した音楽をオリジナルサウンドトラックと呼び、韓国ではその略称としてOSTを使う場面が多く見られます。
日本で同じものを指すときによく使われるのが「サントラ」です。韓国ドラマの配信画面やCDの商品名にOSTと表記されるため、韓国の作品を通じてこの3文字を初めて見る人もいるでしょう。
サウンドトラックという語は、もともと映画フィルムの縁にある録音帯を指す映画用語でした。音声や伴奏音楽、効果音を記録する細い帯状の部分を指し、そこに録音された音楽そのものや、音源をCDにまとめたアルバムまで指すようになった言葉です。
2. OSTとサントラ・BGM・主題歌は何が違う?
【韓国ドラマ OST】「21世紀の大君夫人」オリジナルサウンドトラック
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OSTは、サントラとほぼ同じものを指す一方、BGMや主題歌とは指す範囲が異なります。3つの言葉を、同じ音楽を指すのか、作品のために作られた音楽に限るのか、総称なのか1曲なのかという観点で順に整理します。言葉の関係をつかめば、作品の音楽の話題にも入りやすくなるでしょう。
2-1. サントラはOSTと同じ音楽を指す
サントラとOSTは、同じ音楽を別の言い方で呼んだ言葉です。サントラはサウンドトラックの略、OSTはOriginal Sound Trackの略で、どちらも作品のために用意された音楽を意味します。
呼び方が分かれている理由は、言葉が広まった経路の違いにあります。日本の映画やアニメの音楽はサントラという言い方で定着し、韓国ドラマの音楽はOSTという表記のまま日本の視聴者に届きました。
同じ意味である以上、どちらを使っても間違いにはなりません。
2-2. BGMは作品で流れる音楽全般を指す
BGMは場面の背景で流れる音楽全般を指す言葉で、その作品のために作られたかどうかを問いません。クラシックの名曲や既発売のヒット曲が場面に使われた場合も、視聴者からはBGMと受け取られます。
一方のOSTは、作品のために制作された曲をまとめた呼び方です。韓国ドラマや映画の劇中に流れ、登場人物の心情や情景を表現するために書き下ろされた曲が中心になります。
ドラマの公式サイトや配信ページに曲名が掲載されていれば、その曲はOSTとして扱われていると判断できます。
2-3. 主題歌はOSTに含まれる1曲
主題歌は、OSTの中で作品を代表する曲を指します。OSTが総称で、主題歌や挿入歌は個別の曲にあたります。
たとえば2002年放送の『冬のソナタ』では、Ryuが歌った「最初から今まで」が主題歌にあたり、この曲を含む複数の楽曲がOSTを構成しました。1つの作品から主題歌が1曲、挿入歌が数曲というまとまりで発表される形が一般的です。
曲名の後ろに付く歌手名の表記は、共演の形によって書き方が変わります。
3. 韓国ドラマでOSTが重視されるのはなぜ?
【韓国ドラマ OST】「21世紀の大君夫人」オリジナルサウンドトラック
— K-POP Life公式 (@k_dora) June 17, 2026
🎵In Your Orbit/イム・ジュンウォン
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韓国ドラマでOSTが重視されるのは、曲が物語の一部として働き、作品の評価そのものに関わるためです。日本のドラマ音楽との作られ方の違いに関心がある人に向けて、曲数の多さ、心情との結びつき、アーティストの話題性、視聴後に残る余韻という4つの観点から理由を解説します。
3-1. 1話の中で何曲も流れる
韓国ドラマでは、1話の中で何曲ものOSTが流れます。劇中歌が物語の進行に合わせて次々に登場する点は、日本のドラマとの違いとしてよく挙げられる特徴です。
1つの作品に用意される曲数が多いため、視聴中に「今の曲は何か」と気になる場面も自然と増えます。曲を調べたことをきっかけに、歌っているアーティストの名前を初めて知る人も珍しくありません。
曲数の多さは、作品ごとにアルバムが組めるだけの楽曲がそろうという意味でもあります。ドラマを見終えた後に曲を聴き返せる環境が、放送と同時に用意されている状態です。
3-2. 登場人物の心情や情景と結びついている
OSTは、登場人物の心情や場面の情景を表現するように作られています。台詞では描き切れない感情を音楽が補い、視聴者に場面の意味を伝える役割を担う点が特徴です。
歌詞と旋律が場面の内容に沿って書かれるため、曲と物語が強く結びつきます。ペク・イェリンが歌った『愛の不時着』の楽曲のように、イントロを聴いただけで主人公たちの表情が思い浮かぶと評される曲も生まれました。
作品と曲が一体になっている点は、視聴者が曲名を検索する動機にもつながります。
3-3. 人気アーティストが歌い放送前から話題になる
OSTは、参加アーティストの発表によって放送前から注目を集めます。誰がドラマの曲を歌うのかがニュースとして流れ、視聴者の期待が高まる流れができています。
ミュージックビデオが動画サイトで公開される点も、話題の広がりを後押ししました。ドラマを見る前に曲を聴き、その曲をきっかけに本編を見始めるという順序も生まれています。知名度の高いアーティストの参加が増えたことで、ヒットチャートに入るOSTも増えました。
3-4. ドラマが終わった後も世界観に浸れる
OSTは、ドラマを見終えた後に作品の世界観へ浸り直す手段になります。曲と場面が結びついているため、音楽を再生するだけで物語の記憶がよみがえります。
好きな作品の余韻を保てる点は、OSTが支持される理由の1つに挙げられてきました。最終回を迎えた後も、曲を通じて登場人物との時間が続いていく感覚を得られます。
気に入った1曲を起点に、同じアーティストが参加した別の作品のOSTへ広がる楽しみ方もあります。曲から作品へ、作品から曲へと関心が行き来する点が、韓国ドラマの音楽の特徴です。
4. 韓国ドラマの代表的なOSTは?
韓国ドラマのOSTには、作品と同じくらい広く知られた曲がいくつもあります。ここでは、作品のヒットとともに曲そのものが知られた5作品を、放送された年の古い順に紹介します。曲名と歌ったアーティストをあわせて押さえておくと、聴きたい曲を探しやすくなるでしょう。
4-1. 冬のソナタ「最初から今まで」
韓国ドラマのOSTが日本で広く知られるきっかけになったのが、2002年放送の『冬のソナタ』です。ペ・ヨンジュンさんが主演を務めた作品で、日本の韓流ブームの入り口にもなりました。
主題歌「最初から今まで」を歌ったのはRyuさんです。リリース当時はほぼ無名に近い立場でしたが、この曲のヒットで一気に注目を集めました。ドラマの音楽が歌手のキャリアを大きく動かした例として知られています。作品では、クラシックの名曲やイージーリスニングの定番曲も場面に合わせて使われました。
4-2. トッケビ「Stay with Me」
2016年放送の『トッケビ ~君がくれた愛しい日々~』からは、「Stay with Me」が代表曲として知られています。歌ったのはEXOのチャンヨルさんとPunchさんの2人です。
同じ作品からはCrushさんの「Beautiful」、エディ・キムさんの「You Are So Beautiful」も生まれました。1つの作品から複数の曲が知られる形は、韓国ドラマのOSTでよく見られます。
ドラマの場面ごとに違う歌手が起用されるため、聴き手にとっては新しいアーティストと出会う機会にもなりました。
4-3. 梨泰院クラス「はじまり」
2020年に話題を集めた『梨泰院クラス』のOSTが、Gahoさんの「はじまり」です。主演はパク・ソジュンさんで、挫折から立ち上がる若者の姿を描いた物語でした。
曲は、亡くなった父の生き方を手本に前へ進む主人公パク・セロイの歩みに重なります。ドラマを離れた日常でも背中を押してくれる応援歌として受け止められ、作品を見ていない層にも届きました。
4-4. 愛の不時着「Here I Am Again」
2019年の作品『愛の不時着』を代表するOSTが、ペク・イェリンさんの「Here I Am Again」です。この作品はヒョンビンさんとソン・イェジンさんが主演を務め、配信を通じて世界の視聴者へ届きました。
この曲は、イントロを聴いただけで2人が見つめ合う場面が思い浮かぶと評されています。音楽が場面の記憶を呼び起こす力を持つことを示した1曲です。
作品そのものも大きな話題となり、2020年のユーキャン新語・流行語大賞ではトップ10に「愛の不時着」が選ばれました。ドラマの人気とともに、OSTを聴く人の裾野も広がっています。
4-5. 涙の女王「The Reasons of My Smiles」
2024年春に放送された『涙の女王』のOSTでは、BSSの「The Reasons of My Smiles」が注目されました。BSSは、ボーイズグループSEVENTEENのメンバー3人によるユニットです。
ふだんは陽気なダンスミュージックを得意とするBSSが、この作品では穏やかなトーンのラブソングを歌いました。同じOSTにはCrushさんや10cmも参加し、それぞれ自身の作風とは異なるバラードを披露しています。
ふだんの楽曲とOSTでの歌声を聴き比べる楽しみ方も、ここから生まれています。
5. K-POPアーティストにとってOSTはどのような場?
K-POPアーティストにとってOSTは、実力を示し、新しい聴き手と出会う場になっています。ドラマからK-POPへ、K-POPからドラマへと関心が行き来する動線もここから生まれました。OSTの位置づけがどのように変わったのか、そしてアイドルグループのボーカルにとってどのような機会になっているのかを解説します。
5-1. 新人が参加する場から実力を示す場に変わった
OSTは、かつて新人や裏方が参加する場と見られていましたが、実力を示す場へと位置づけが変わりました。転機になったのが、2002年の『冬のソナタ』でRyuさんが主題歌のヒットによって一気に注目された出来事です。
OSTが海外進出の足がかりや、自身のキャリアを次の段階へ進める舞台として意識されるようになります。実績のあるアーティストの参加も珍しくなくなり、ヒットチャートに入る曲が増えました。
旬の歌手がドラマの主題歌や挿入歌を歌う形は、今では定着しています。
5-2. アイドルグループのボーカルが歌う機会になっている
OSTは、アイドルグループのボーカルがソロで歌声を届ける機会にもなっています。グループの楽曲では前面に出にくいメンバーの歌唱力が、1曲を通して伝わる場です。
ドラマ『シンデレラのお姉さん』ではSUPER JUNIORのイェソンさんがOSTを歌い、『涙の女王』ではSEVENTEENの3人によるBSSがバラードを担当しました。ダンス曲を中心に活動するグループの一面とは違う表現に触れられます。また、OSTをきっかけに、そのグループを聴き始める人もいます。
6. OSTに関するよくある質問
【韓国ドラマ OST】「カーテンコール」オリジナル・サウンドトラック
— K-POP Life公式 (@k_dora) August 12, 2026
🎵Waiting Fou You/ペク・チヨン
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OSTについては、音楽以外の意味や聴き方に関する質問がよく挙がります。検索したときに別分野の解説が並んで戸惑う場面もあるので、混同しやすい点とあわせて3つの疑問に回答します。
6-1. 音楽以外にOSTと呼ばれるものはある?
音楽以外では、会議の進め方を指す「オープン・スペース・テクノロジー」がOSTと略されます。参加者が中心テーマのもとで話し合う議題を自分たちで作り、進行も担う形式です。
1日のワークショップから3日間の会議まで用いられ、5人程度の少人数から2,000人を超える規模でも実施されます。音楽のOSTとは関係のない言葉であり、ビジネスの文脈で出てきた場合は会議手法を指すと考えて差し支えありません。
6-2. OSTを聴く方法は?
OSTは、作品ごとに発売されるアルバムや、複数作品の曲を集めたアルバムで聴けます。ドラマの放送に合わせて楽曲がまとめられ、ミュージックビデオが動画サイトで公開されることもあります。
人気ドラマの曲を横断して聴きたい場合に選べるのが、コンピレーションアルバムです。実際、韓国ドラマのOSTを集めたアルバムなども発売されています。
6-3. OSTのアルバムはどのような形で発売される?
OSTのアルバムは、ドラマの放送開始に合わせて発売される形がとられてきました。作品によっては1枚ではなく2枚組で発売される場合もあります。
CDに加えて、ミュージックビデオを収めたDVDやドラマのフォトアルバムが同梱される仕様も見られます。音楽と映像、写真をまとめて手元に置ける形が、作品のファンに向けて用意されてきました。
まとめ
OSTとは、Original Sound Trackの略で、ドラマや映画のために作られた音楽を指す言葉です。サントラとはほぼ同じものを指し、BGMや主題歌とは指す範囲が異なります。韓国ドラマでは1話の中で何曲も流れ、登場人物の心情と結びついた曲が作品の評価を支えてきました。
OSTで気になった曲があれば、ぜひ同じアーティストの曲を聴き、音楽の幅を広げてみましょう。
※当記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています







