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セトリとは?意味や使い方の例・類義語・派生語を詳しく解説!

セトリとは?意味や使い方の例・類義語・派生語を詳しく解説!

音楽用語であるセトリはset list(セットリスト)の略称であり、演奏する曲を一覧にまとめたものです。セトリは曲の順番だけでなく、アーティストの紹介やトークを入れるタイミングも考慮して作成されます。ライブやコンサートが好きな人の中には「セトリという言葉は聞いたことがあるものの、深い意味までは知らない」という人もいるでしょう。

当記事では、セトリがよく使われる場面と例文、類義語や派生語などを紹介します。セトリの意味や由来を詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.セトリとは?

セトリとは、英語の「set list(セットリスト)」の略称で、音楽アーティストやバンドがライブコンサートを行う際の演奏曲の一覧を順番にまとめたものです。セトリは音楽用語であり、ポップス・ロック・ジャズ・R&Bなどのポピュラー音楽のアーティストやスタッフ・ファンの間で日常的に使われています。

ライブでは、アーティストだけでなく照明や音響スタッフなどにもセットリストが配られ、各自リストを見ながら進行・演出をします。セトリは曲の順番以外に、アーティストの紹介やトークを何曲目の後に入れるかなども考えて作られます。

1-1.セトリの類義語

セトリの類義語には下記の用語が挙げられます。

曲目 楽曲の名前を意味する言葉であり、演奏会やコンサートなどで演奏される曲名を順序に従い列記したもの。
演目 演劇などのタイトルもしくは、上演予定の演劇作品。
プログラム 音楽会や演劇、オペラなどの催し物で上演する曲もしくは日程、出演者、会場といった情報を記載したもの。
目次 項目や題目といった順序、目録。
タイムテーブル 時間表や時刻表。
メニュー 予定されている物事の項目やその内容。
レパートリー 劇団や演奏家が上演・演奏をいつでもできるように準備している曲目や演目。

上記の類語の中から、特に「セトリ」に意味が近い類義語は、「曲目」であると考えられます。曲目は「楽曲名を順番に列記したもの」を指し、セトリとほぼ同意語となるためです。

2.「セトリ」が使われる場面と例文

セトリが使われる場面と各例文について紹介します。

場面1.コンサートに行く前の例文

「今日のコンサートのセトリ知ってる?」「今度のコンサートのセトリは、懐かしい曲がたくさん入っていてとても楽しみだ。」
「来週行くコンサートのセトリがアップされてるから、事前に予習しておこう。」

場面2.コンサートが終わった後の例文

「ライブすごく楽しかったな。Twitterにセトリアップされるかな?」
「今日のライブのセトリ曲最高だったね。」

場面3.ファン同士でアーティストについて話をするときの例文

「ツアー中もセトリ変えてくれるから、何回見に行っても楽しいよね。」
「やっぱり、あのアーティストのセトリは最高だよね。懐かしい曲がたくさん入っていて、コアなファンにはたまらないセトリだと思う。」

場面4.アーティストがライブやライブの打ち合わせをするときの例文

「ツアー中も、開催地によってセトリを変えてみよう。」
「今日のライブすごく盛り上がったから、来週も同じセトリでやろう。」

場面や例文から分かるように、「セトリ」はコンサートやライブでよく使われる用語です。

2-1.ライブ・コンサートの曲順以外でも

セトリはライブやコンサートの曲順以外の場面でも使用されます。

セトリがよく使われる場面は、アルバムの曲目・カラオケの曲順・自作プレイリストの曲目について話す時などが挙げられ、それぞれ次のような形で使われます。

アルバムの曲目(アーティストのアルバム曲の順番)に関する例文

「この前発売されたアルバムのセトリ、最高だったよ。早くライブで見たい。」

カラオケの曲順(自分がカラオケで歌う曲の順番)に関する例文

「今日のカラオケのセトリはこれにしよう。」

自作プレイリストの曲目(自分で作成した楽曲の順番)に関する例文

「この前作ったセトリが完璧で、毎日電車で聞いているよ。」

3.セトリは昔から存在した?

以前から、アーティストが行うコンサートやライブでセトリは存在していました。セトリを作成しどの曲順で演奏するか決めておかないと、ライブがスムーズに進められません。現在でもセトリはライブを盛り上げるほか、問題なく進行させるために出演者の間で決められています。

セトリがファンや一般の人に浸透した一番の理由は、SNSの発展です。アイドルファンをはじめとする熱心なファンが、コンサートに出向いた後にセトリを公開したことにより「セトリ」という言葉が徐々に話題に上がるようになりました。

ライブに行って初めてセトリを知るのが常識だった頃とは異なり、今ではSNSで「この前のセトリはこれ!」というように事前に情報が拡散されるのが当たり前となっています。

4.セトリの派生語2選

セトリはもともと音楽業界で用いられる言葉であったものの、SNSの普及によりファンが使う機会が増えたことから、一般用語として浸透しつつあります。昨今ではさまざまな分野のライブ・コンサートの関係者やファンの間で使われており、「神セトリ」「セトリ落ち」といった派生語も生まれました。

ここでは、セトリの派生語を例文と合わせて紹介します。

4-1.神セトリ

神セトリとは、好きな曲や人気曲が多く採用され、感動的な演奏順で構成されたセトリを指します。使用する場面は、ライブで自分の好きな曲や学生時代の思い出の曲が多く演奏され、感動したときなどです。ライブ以外にも、自作のプレイリストや発売されたアルバムのセトリが「神がかったように最高!」という場面で使用します。

「神セトリ」は、元々アイドルやアニソンファンの間で広く使われていた用語です。今ではポップスやロックなど、さまざまなジャンルのアーティストのセトリに対して使われるようになり、一般的なライブ用語となっています。

神セトリが使われる場面には下記のような例があります。

神セトリの例文

「昨日のライブ、神セトリだったよね。感動して泣いちゃった。」
「先週発売されたアルバム、神セトリだったからおすすめだよ。」
「適当に作ったプレイリストをシャッフルで聞いてたら、たまたま神セトリになってびっくりした。」

神セトリは「感動した」「最高だった」など、嬉しい気持ちを表現する際に使われることが多い言葉です。

4-2.セトリ落ち

「セトリ落ち」は、セットリストに入らなかった曲を指します。自分の行きたい、または行ったアーティストのライブで、セトリに好きな曲が入っていない時に使う言葉です。

セトリ落ちが使われる場面には下記のような例があります。

セトリ落ちの例文

「前回のライブのセトリに入っていたから、今回はセトリ落ちするかもしれない。」
「今日のライブ、一番好きな曲がセトリ落ちしててショックだったな。」
「今回のツアーでは、好きな曲はほぼセトリ落ちだと思うけど、新曲発表は楽しみ。」

セトリ落ちは「残念」「悲しい」という気分の時に多く使われます。

5.ライブ・コンサートのセトリはいつも同じ?

アーティストによりますが、ライブツアーや公演会場ごとにセトリを変えるのが一般的です。

セトリの変更内容には下記が挙げられます。

  • 数曲を入れ替える
  • 曲順を変える
  • すべて違う曲にする

セトリの変更は、複数のライブ会場を追いかける「追っかけファン」への配慮とも言えます。セトリはお客さんに楽しんでもらえるように作ることはもちろん、アーティストの表現したい世界観や、ライブの雰囲気、全体の流れを加味して作成されます。

アルバム発売直後のツアーでは、セトリにアルバム曲が網羅されていることが多いでしょう。また、アニバーサリーツアーのような記念コンサートでは、デビュー当時の曲や定番曲が選出されるなど、アーティストの軌跡が分かるセトリになっている傾向があります。

6.セトリ以外にも!ライブ・コンサートでよく使われる用語

セトリ以外にも、ライブやコンサートで使われる特殊なバンド用語が多数あります。豆知識として知っておくと、情報収集やライブ好き同士の音楽仲間との会話などに役立つでしょう。

下記は、ライブ・コンサートでよく使われる用語の一例です。

SE(エスイー) Sound Effectの略で、ライブなどでアーティストが登場する際にかける曲を意味する。アーティスト自身の曲をかけたり、他のアーティストの曲をかけたりする。ライブに向けて、アーティストとファンの気分が上がる曲が選ばれるのが一般的。

例文「このSEは俺たちのバンドにぴったりだよな。」

MC(エムシー) Master of Ceremoniesの略で、曲の合間にアーティストがするトークを指す。MCはアーティストの自然な姿も見られるライブの醍醐味。アーティスト側はトーク力が問われる。

例文「今日のライブのMC、すごく緊張する。」

上手(かみて)/下手(しもて) ステージ上の左右を表す言葉。上手は客席からステージを見て右側。下手は客席からステージを見て左側。

例文「演奏が終わったら下手から退場してください。」

対バン(たいばん) 単独ライブではなく、複数のアーティストが共演するライブのこと。複数のアーティストが出演するため集客は有利になるが、お客さんは自身のファン以外の人が多く、盛り上げられるかアーティストとしての力量が試される。

例文「大好きなバンドと対バンすることになったよ。」

まとめ

セトリはset list(セットリスト)の略称であり、ライブの演奏曲の一覧を順番にまとめたものです。セトリはポピュラー音楽などでアーティストとスタッフ、ファンの間で日常的に使われています。セトリの類義語はさまざまですが、中でも楽曲名を順番に列記したものを指す「曲目」が特に近い意味をもつ言葉と言えるでしょう。

セトリには「神セトリ」「セトリ落ち」といった派生用語も存在し、それぞれ使われる場面が異なります。セトリはライブツアーや公演会場ごとに変えるのが一般的で、曲順を変えるほか、すべて違う曲にする場合もあります。

※当記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しています

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