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ワンドリンク制とは?ライブハウスが制度を設ける理由を解説

ワンドリンク制とは?ライブハウスが制度を設ける理由を解説

ライブハウスでは、入場するお客さんからチケット代とドリンク1杯分の料金を徴収する「ワンドリンク制」を取っています。料金を払うとドリンクチケットがもらえ、バーカウンターに持って行くとドリンクチケットで好きな飲み物1杯と交換できる仕組みです。チケット代を払ったのに、ドリンク代も支払わなければイケないことに疑問を感じる方もいるでしょう。

当記事では、ワンドリンク制の意味や、ライブハウスが制度を設けている理由、またドリンク引き換えに最適なタイミングについて解説します。ライブハウスに初めて行くという方は、ぜひお役立てください!

1.ワンドリンク制とは?

ライブやイベントに参加するとき、ホームページサイトやライブチケットに「ワンドリンク制」と記載されているのをよく見かけます。

ワンドリンク制とは、公演のチケット代とは別にドリンク代を1杯分支払わなければならないシステムのことです。ホールで行われるようなコンサート会場などではあまり見かけませんが、ライブハウス会場ではワンドリンク制がよく採用されています。

ワンドリンク制の料金は一般的に、支払いがしやすいように税込み500円で設定されています。500円であれば飲食店などの飲み物代の相場であり、ワンコインでお釣りのやりとりが時短になるためです。

以下では、ドリンクチケットのもらい方やライブハウスのドリンクの種類について解説します。

1-1.ライブハウスのワンドリンク制は「ドリンクチケット」をもらうのが一般的!

多くのライブハウスでは、入場する際に受付でドリンク代を支払いドリンクチケットをもらいます。会場内に入るとドリンクを交換するバーカウンターがあるため、カウンターでチケットとドリンクを交換しましょう。

ライブハウスで飲めるドリンクのメニューはさまざまです。お酒ではビールやサワー、カクテルなどがよく用意されています。お酒が苦手な方や未成年の方用に、ミネラルウォーター・烏龍茶・コーラ・オレンジジュースなどのソフトドリンクもあるのが一般的です。

ドリンクは紙やプラスチックの使い捨てカップで提供されるところと、缶やビンで提供されるライブハウスがあります。

2.ライブハウスがワンドリンク制になっている理由

ライブがワンドリンク制を設けている場合は、ライブハウスが飲食物の持ち込み禁止になっている場合が多いです。ライブハウスが飲食物の持ち込みが禁止だと、入場前の手荷物検査で飲食物があると没収されることもあるため注意しましょう。

以下では、ライブハウスがワンドリンク制を設けている理由を解説します。

2-1.ライブ運営の許可を取るため

法律上ライブハウスを運営するには「興行場営業許可」を取得するか、または「特定遊興飲食店許可」と「飲食店許可」の2つの許可を得る必要があります。

興行場とは、映画や演劇・音楽・スポーツなどを見せたり、聞かせたりする施設のことです。ライブハウスを運営する場合は、都道府県知事から「興行場営業許可」を得なければなりません。ただし、興行場営業許可はライブハウスの建築・改築・増築の段階から建物の設備基準などが細かく定められており、合格するにはかなり難しいです。

出典:厚生労働省「興行場法概要」

特定遊興飲食店営業は、営業者側の積極的な好意でお客さんを遊びに興じさせ、飲食を提供する営業のことです。午前6時から午前0時時までの間で営業し、酒類を提供して飲食させるお店に限られます。特定遊興飲食店営業の許可申請は警察署で行い、公安員会の許可が下りることで営業が可能です。

出典:大阪府警察「特定遊興飲食店営業とは【※改正風営法第2条第11項】」

興行場営業許可に比べて特定遊興飲食店許可は許可を得る難易度が低いため、多くのライブハウスは飲食店許可と特定遊興飲食店許可を取って営業しています。

2-2.飲食店として営業しているため

「特定遊興飲食店許可」は必要な設備を設けて客に遊興・飲食をさせる営業の許可を指します。また「飲食店許可」は食品を調理し、または設備を設けて客に飲食させる営業許可のことです。

多くのライブハウスでは特定遊興飲食店許可と飲食店許可で営業の許可を得ているため、飲食店としての要件を満たす必要があります。そのため、ライブハウスではワンドリンク制で観客にドリンクを提供することで、客に遊興・飲食させるという条件を満たし問題なく営業が行える仕組みにしています。

2-3.売上を確保するため

ライブハウスでのワンドリンク制は、その日の売上を確保するためにも重要です。

ライブハウスのライブとしての売上は、ライブ出演者や天候などによって大きく変動します。ライブを見に来たお客さんが1杯でもドリンクを注文してくれれば、店側の収益を増やせます。ワンドリンク制は、ライブハウスの運営を維持するためにも大切な収入の一部です。

3.ドリンクチケットを引き換えるタイミング

ライブの種類によりますが、基本的にドリンクチケットはライブの時間内であればいつでも引き換えられます。ドリンクを引き換えるタイミングに決まりはありません。引き換えるタイミングが分からない場合は、忘れないようにライブの開演前に引き換えるのがおすすめです。

以下では、ドリンクを引き換えるタイミングのメリットとデメリットを解説します。

3-1.ライブの開演前

開演前にドリンクを引き換えると、お酒を飲みながらライブが楽しめます。ライブが開演するとドリンクを引き換えるタイミングが取れない場合があるため、事前に引き換えると安心です。人が少なく、並ばずスムーズにドリンクを引き換えられるといったメリットもあります。

ただし、混み合っているライブ会場では持っているカップが邪魔になる点がデメリットです。水分を取ることでライブ中にトイレに行きたくなる場合もあります。

3-2.ライブの開演後

ライブを前列で楽しみたい場合は、少しでも早めに入場しステージに近い場所を確保したい方もいます。ライブがはじまる前にドリンクを引き換える時間が取れない場合は、公演終了後に引き換えるのがおすすめです。喉が渇いたり汗をかいたりした段階で、ドリンクを引き換えるのも1つです。ライブの余韻に浸りながら、終演後に水分補給するのもよいでしょう。

ライブ会場によってはドリンクの引き換え時間が決まっていて、終演後はドリンクの引き換えができない場合があります。引き換え可能であった場合でも、グッズ販売にスタッフが割かれてドリンクを引き換えるまでに時間がかかることもあるため注意が必要です。

3-3.ライブの転換中

複数のアーティストが出演する対バン形式のライブであれば、ライブの転換中やお目当てのアーティスト以外の時間に引き換えるのがおすすめです。

ただし、ドリンクを引き換えているときにライブが盛り上がったり、好きなアーティストが急に登場したりすることがあります。ライブハウスのライブでは人気のアーティストはライブの終盤に登場するケースが大半です。スタンディングのライブであれば、見たいアーティストのときに絶好のポジションが奪われる可能性もあります。一番見たいアーティスト以外の演奏時に、ドリンクを飲んでおきましょう。

椅子があるライブ会場であれば、途中で抜けても席が確保されているため安心してドリンクの引き換えができるでしょう。

まとめ

ワンドリンク制とは、チケット代とは別でドリンク1杯分の料金を支払わなければならないシステムのことです。ライブハウスではよく用いられる制度で、価格は500円が一般的です。

多くのライブハウスでは飲食店許可と特定遊興飲食店を取って影響しており、飲食を提供する必要があるため、ワンドリンク制を設けています。またワンドリンク制にすることで、ライブハウスの売り上げを確保するのも目的の1つです。

お酒を飲みながらゆっくりライブを楽しみたい方は、ライブ開演前にドリンクを引き換えましょう。ライブに集中したいという方は、開演後のドリンク引き換えが最適です。ただし、終演後はドリンクの引き換えができない場合もあるため、事前に確認しましょう。

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