キングダムは、中国の春秋戦国時代末期を舞台に、中華統一を目指す秦王・嬴政と大将軍を志す信の物語を描いた人気漫画です。シリーズ累計発行部数は1億部を超え、TVアニメや実写映画としても展開されるなど、多くのファンがいる作品です。作品の魅力を支えるのは、信や嬴政をはじめとした個性豊かな登場人物で、勇猛果敢な将軍、冷静な軍師、戦場を知略で操る知将など、多彩なキャラクターが物語を彩り、読者を物語の世界へ引き込みます。それぞれの人物には背景や信念があり、物語が進むにつれて成長や葛藤が描かれる点も見どころです。
この記事では、特に重要な役割を担う主要キャラクター10人について、人物像とともにアニメ声優や実写映画での俳優の演技を紹介します。
1. キングダムの主要なキャラクター10選
キングダムは2026年夏には実写映画第5作が公開予定の、原泰久さんによる大河歴史漫画です。春秋戦国時代の末期、秦の始皇帝による中華統一に至るまでの戦国七雄の争乱を描いており、主要なキャラクターはいずれも魅力的で人気があります。
以下では、キングダムの主要なキャラクター10名について紹介します。
1-1. 信(しん)
名前 | 信/李信 |
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アニメ版声優 | 森田成一さん(幼少期:福井美樹さん) |
実写版俳優 | 山崎賢人さん(幼少期:大西利空さん) |
信は戦災孤児として育ちながらも、天下の大将軍を志す本作の主人公です。粗削りながらもまっすぐな性格と、戦場で発揮される圧倒的な行動力が特徴です。仲間を鼓舞し、自身の限界を超えて成長を続ける姿が多くの読者を惹きつけています。漂との出会いや別れを経て、大部隊を率いる指揮官の器に育ち、秦王・嬴政とともに中華統一を目指す物語の中心人物となります。歴史上では後に秦の将軍・李信となる人物です。
アニメ版『キングダム』では声優の森田成一さんが信を演じています。力強さと情熱を込めた演技によって、信の若さと闘志が際立っています。実写映画版では俳優の山崎賢人さんが信を担当し、激しい戦闘シーンや泥臭さを体現する演技で高い評価を得ています。映像表現と演技の両面から、信という人物像が生き生きと描かれています。
1-2. 嬴政(えいせい)
名前 | 嬴政 |
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アニメ版声優 | 福山潤さん(幼少期:金田アキさん) |
実写版俳優 | 吉沢亮さん |
嬴政は後に始皇帝となる秦国の若き王で、信とともに物語を進めるもう1人の主人公です。幼少期から政敵の陰謀に翻弄され、過酷な環境で育ちながらも揺るがない信念を貫きます。中華統一を果たすという壮大な理想を掲げ、強靱な精神力と政治的手腕によって仲間を導く存在です。冷静沈着な判断力を持ちながら、人を惹きつける強いカリスマ性を兼ね備えており、信との信頼関係が物語の軸を支えています。史実では「気性が激しく、人を信じない」と評された始皇帝とは違い、政治家としてのリアリスティックな面を持ちつつも、本質的には人間性を信じる人物として描かれているのが特徴です。
アニメ版『キングダム』では福山潤さんが嬴政を演じています。毅然とした声色で王としての威厳を表現しつつ、葛藤や人間的な成長を繊細に描いています。実写映画版では吉沢亮さんが嬴政を担当し、気高さと人間味を兼ね備えた演技が高く評価されています。
1-3. 漂(ひょう)
名前 | 漂 |
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アニメ版声優 | 福山潤さん(幼少期:金田アキさん) |
実写版俳優 | 吉沢亮さん(幼少期:南出凌嘉さん) |
漂は信と同じく戦災孤児として育った少年で、信の親友であり兄弟同然の存在です。性格は穏やかで冷静、信に比べると落ち着きがあり、武人としての素質も高く評価されていました。王都の権力争いに巻き込まれた際に、容姿が嬴政と瓜二つなため、嬴政の影武者を務めることになり、非業の死を遂げます。しかし、彼の犠牲が信と嬴政を結びつけ、中華統一への大きな原動力となりました。漂は物語序盤で死亡しながらも、信の成長と決意を象徴する存在として、以降も繰り返し作中に登場しています。
アニメ版『キングダム』では、声優の福山潤さんが漂を演じています。中性的で透明感のある声が、漂の優しさと強さを同時に引き立てています。実写映画版では俳優の吉沢亮さんが嬴政と二役で漂を担当しました。繊細な表情や立ち振る舞いを巧みに演じ分け、双子のように似た信との関係性や、政との対比を鮮やかに表現しています。
1-4. 河了貂(かりょうてん)
名前 | 河了貂 |
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アニメ版声優 | 釘宮理恵さん |
実写版俳優 | 橋本環奈さん |
河了貂は、山民族の1つ、梟鳴族の末裔の少女で、信や嬴政と行動をともにする仲間の1人です。物語序盤では鳥の被り物で顔を隠した性別不明の人物として描かれますが、後に女性であることが明かされます。明るく快活な性格で場を和ませる一方、優れた戦術眼を持つ軍略家としても活躍し、軍師として信たち飛信隊を支える重要な存在です。
アニメ版『キングダム』では、釘宮理恵さんが河了貂を演じており、高く張りのある声によって、子どもらしい元気さと芯の強さを巧みに表現しています。実写映画版では、橋本環奈さんが河了貂を担当しました。天真爛漫さと戦場での真剣な表情を両立させ、キャラクターの成長や多面的な魅力を映像で表現しています。軍師として成長する過程と、人間味あふれる描写が観る者の心に残ります。
1-5. 羌瘣(きょうかい)
名前 | 羌瘣 |
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アニメ版声優 | 日笠陽子さん |
実写版俳優 | 清野菜名さん |
羌瘣は伝説的な刺客一族「蚩尤(しゆう)」の末裔であり、卓越した剣技を持つ女戦士です。普段は冷静で寡黙ですが、仲間への思いは深く、信や飛信隊と行動をともにする中で人間味あふれる一面を見せるようになります。舞うような剣技で敵を圧倒する戦闘力は作中でも屈指であり、飛信隊の副官として重要な役割を担っています。また、復讐心から戦場に身を投じた過去を持ちながら、信や河了貂と出会い、生きる意味を再び見いだす姿が描かれています。
アニメ版『キングダム』では日笠陽子さんが羌瘣を演じています。凛とした声で戦闘時の緊張感を伝えつつ、感情を露わにする場面では繊細な表現を加え、羌瘣の複雑な人物像を際立たせています。実写映画版では清野菜名さんが羌瘣を担当しました。圧倒的な身体能力を生かしたアクション演技で、独自の剣舞の再現にも挑戦し、キャラクターの存在感を強く印象づけています。
1-6. 王騎(おうき)
名前 | 王騎 |
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アニメ版声優 | 小山力也さん |
実写版俳優 | 大沢たかおさん |
王騎は「六大将軍」の1人として秦国に名を轟かせた伝説的な武将です。圧倒的な体躯と豪快な戦いぶりが特徴で、戦場では常に先陣を切り敵を圧倒します。一方で、朗らかで豪放な性格を持ちながらも深い戦略眼を備えており、若き信に大将軍としての資質を示す重要な役割を担いました。作中でも特に印象的な人物であり、その生き様は多くの読者に強烈な印象を残しています。
アニメ版『キングダム』では小山力也さんが王騎を演じています。低く響く声と独特の間合いで描かれる台詞は、王騎のカリスマ性と風格を際立たせています。実写映画版では大沢たかおさんが王騎を担当しました。王騎を演じるためにトレーニングをし、体重を20kg増やすほどの大沢さんの徹底した役作りが生み出す迫力ある立ち姿と重厚な演技によって、原作の豪胆さと人間的な温かみを兼ね備えた王騎像を再現し、観客から高い評価を得ています。
1-7. 桓騎(かんき)
名前 | 桓騎 |
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アニメ版声優 | 伊藤健太郎さん |
桓騎は野党である砂鬼一家出身という異色の経歴を持つ将軍で、常識にとらわれない戦術と大胆不敵な性格で知られています。戦場では奇抜な戦法を駆使し、敵を翻弄する一方、勝利のためなら民間人の犠牲も辞さないなど、手段を択ばない冷酷で非情な面も描かれています。苛烈さは味方からも恐れられるほどですが、同時に誰も思いつかない勝利をもたらすことも多く、秦国の戦局に大きな影響を与える存在です。桓騎は信や王騎らと対照的な人物像として、物語に厚みを加えています。
アニメ版『キングダム』では伊藤健太郎さんが桓騎を演じています。威圧感と余裕を感じさせる声質によって、桓騎の狡猾さと不敵さが際立っており、妖艶さを漂わせつつも恐怖を与える独特の存在感で、原作ファンからも高い注目を集めています。実写映画にはまだ登場していないものの、誰が桓騎を演じるのか期待が高まっている状況です。
1-8. 昌平君(しょうへいくん)
名前 | 昌平君 |
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アニメ版声優 | 諏訪部順一さん |
実写版俳優 | 玉木宏さん |
昌平君は秦国の軍師であり、政に仕える丞相の1人として戦略と内政の両面で活躍する人物です。卓越した軍略眼と冷静な判断力を備え、秦が外敵と対峙する際には戦況を見極めて勝利に導く役割を果たしました。軍師を養成する学校を自ら開き、河了貂に知略を教えた師でもあります。しかし、史実では中華統一の際に秦を裏切り、楚の王として反乱軍を率いていることもあり、今後彼がどうなるのかファンは恐れつつも期待している状況です。
アニメ版『キングダム』では諏訪部順一さんが昌平君を演じています。落ち着いた声と重厚な演技によって、軍師としての威厳と知性が表現されています。実写映画版では玉木宏さんが昌平君を担当し、知略家としての冷徹さと人間味を兼ね備えた姿を演じています。
1-9. 成蟜(せいきょう)
名前 | 成蟜 |
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アニメ版声優 | 宮田幸季さん |
実写版俳優 | 本郷奏多さん |
成蟜は嬴政の異母弟であり、玉座を巡る権力闘争の重要人物として登場します。王弟として野心的で強気な性格を持ち、当初は兄である嬴政に反旗を翻す存在として描かれました。豪胆さと狡猾さを併せ持ちながらも、状況に追い込まれると脆さを見せる場面もあり、単なる敵役にとどまらない人間味が描かれています。成蟜は嬴政の王としての覚悟を際立たせる役割を担い、物語序盤の大きな転換点を生み出しました。
アニメ版『キングダム』では宮田幸季さんが成蟜を演じています。特徴的な声質で、成蟜の野心と苛立ち、不安定さを表現し、キャラクターの多面性を引き出しています。実写映画版においても成蟜は登場しており、本郷奏多さんが演じています。冷酷さと繊細さを兼ね備えた演技で、成蟜の複雑な人物像を体現し、作品に緊張感を与える存在感を示しました。
1-10. 李牧(りぼく)
名前 | 李牧 |
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アニメ版声優 | 森川智之さん |
実写版俳優 | 小栗旬さん |
李牧は趙国の「三大天」の1人に数えられる知将で、秦にとって最大級の脅威とされる人物です。戦場全体を見渡す広い視野と緻密な戦略眼、趙軍の多くから指示されるカリスマ性を持ち、智謀を駆使して強大な秦軍を度々苦しめました。冷静沈着で計算高いだけでなく、国や民を守るために行動する姿勢も描かれており、単なる敵役を超えた人間的な魅力を備えています。
アニメ版『キングダム』では森川智之さんが李牧を演じており、知性と威厳を感じさせる声によって、策略家としての冷徹さと人間味が見事に表現されています。実写映画版では小栗旬さんが李牧を担当しました。爽やかで飄々とした原作の知将像を体現し、映像作品でも強い印象を残しています。
まとめ
「キングダム」に登場する主要キャラクターは、物語の軸を支えるだけでなく、読者や視聴者に強い印象を残す存在です。信や嬴政の成長、王騎や李牧といった武将たちの生き様、さらには桓騎や成蟜のように一筋縄ではいかない人物の描写が、物語をより深く、ドラマティックにしています。
また、アニメ声優の表現や実写映画での俳優陣の演技も、それぞれのキャラクターを生き生きと映し出し、作品の魅力を一層高めています。2026年には実写映画第5作の公開も予定されており、今後もキャラクターたちの活躍に注目が集まるでしょう。
※当記事は2025年9月時点の情報をもとに作成しています