原泰久先生による歴史漫画「キングダム」には、壮絶な戦いや仲間たちとの絆を通し、理想を追い求める登場人物たちが残した数々の名言が登場します。作品を読みながら「この言葉に励まされた」という経験を持つ方も多いでしょう。
当記事では、胸を熱くさせる名台詞や、リーダーシップや決断力に生かせる言葉を紹介します。挑戦に臆する気持ちを押し返したいときや、チームを率いる上で迷ったとき、心に響く一言が道しるべになるでしょう。
- 1. 思わず胸が熱くなる!心に響くキングダムの名言10選
- 1-1. 「天下の大将軍ですよ」(王騎)
- 1-2. 「俺を天下に連れて行ってくれ」(漂)
- 1-3. 「俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる」(信)
- 1-4. 「退がるな信っ!!」「不退こそがお前の武器だぞ!!」(政)
- 1-5. 「最後まで戦うぞ秦の子らよ 我らの国を 絶対に守りきるぞ」(政)
- 1-6. 「あなたは誰よりも偉大な王になれます」(紫夏)
- 1-7. 「人の持つ本質は――光だ」(政)
- 1-8. 「“弱さ”があるから本当の“強さ”を知れるんだ」(河了貂)
- 1-9. 「ちなみに俺は百を見せてやる!」(信)
- 1-10. 「“法”とは願い! 国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」(李斯)
- 2. ビジネスでも使えるキングダムの名言4選
- まとめ
1. 思わず胸が熱くなる!心に響くキングダムの名言10選
「キングダム」には、登場人物の信念や覚悟が凝縮された数々の名言が登場します。読むたびに胸が熱くなり、勇気や決断力を与えてくれます。ここでは、物語を彩る感動的な名台詞を紹介します。
1-1. 「天下の大将軍ですよ」(王騎)
王騎と龐煖の壮絶な一騎打ちの中で放たれた「天下の大将軍ですよ」は、まさに王騎の生き様を象徴する名言です。致命傷を負いながらも毅然とした態度を崩さず、龐煖から「貴様は一体何者だ」と問われた王騎が笑みを浮かべて答える姿は圧巻でした。
死の間際にあっても将軍としての誇りを示し続けた王騎の姿は、信をはじめ多くの者に強烈な影響を与え、読者の心にも深く刻まれる名場面となっています。
1-2. 「俺を天下に連れて行ってくれ」(漂)
信と幼少期を共に過ごし、大将軍を目指していた漂は、政の影武者を務めた際に敵の攻撃で致命傷を負ってしまいます。残された力を振り絞り信の元へ帰り、自らの夢を託すように言葉を残して息を引き取りました。
本来なら2人で歩むはずだった未来を信に託した最期の姿は、作品屈指の感動シーンとして読者の胸に刻まれています。そして、漂の思いが信の成長を支える大きな原動力となりました。
1-3. 「俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる」(信)
本作の主人公・信が示した将軍像は、略奪や暴力に頼るものではなく、人々を導く誇り高い姿でした。桓騎軍にそそのかされて過ちを犯した尾平を追放した後、暴行を受けた彼の元を訪れ、自らの夢を語る場面にその信念が表れています。
幼少期に漂と誓い合った理想を今も本気で追い続けるからこそ、仲間にも揺るぎない覚悟を求める信の姿は、読者に夢を貫く強さの大切さを教えてくれます。
1-4. 「退がるな信っ!!」「不退こそがお前の武器だぞ!!」(政)
物語序盤、初めて本格的な斬り合いに挑んだ信は恐怖から後退してしまいます。そんな彼に政が投げかけた言葉は、弱気を振り払い前へ進むきっかけとなりました。
この場面を通じて信は「退かずに挑む」という自分の戦い方を見出し、その後の成長の基盤を築きます。初めての試験や面接など、日常の挑戦でも背中を押してくれる名場面です。
1-5. 「最後まで戦うぞ秦の子らよ 我らの国を 絶対に守りきるぞ」(政)
合従軍との戦いで激戦地となった蕞を守るため、政は民衆に武器を持たせ、自ら前線に立って鼓舞しました。投降を選びかけていた人々を「秦の子」と呼び奮い立たせた姿は、若き王が真の国王へ成長した瞬間を象徴しています。
戦後には民を死へ導いたことへの罪悪感も吐露しますが、それでも国を守るため非情な決断を下す覚悟がこの場面には込められています。
1-6. 「あなたは誰よりも偉大な王になれます」(紫夏)
幼い政は敵国・趙で生まれ育ったため、常に憎悪や暴力の中に置かれていました。そんな彼を命懸けで守り抜き、秦へ送り届けようとしたのが闇商の女性・紫夏です。
逃走の途中で致命傷を負いながらも政を守り抜いた紫夏の最期の言葉は、政に深い影響を残しました。誰かが自分のために命を懸けてくれたという事実は、彼に王としての責任と使命を強く自覚させ、後の偉大な統治者へと成長する大きな転機となったのです。
1-7. 「人の持つ本質は――光だ」(政)
呂不韋との長い対立の末、天下の在り方を語り合う場面で政は人間の本質を光と断言します。力や支配で人を縛ろうとする呂不韋に対し、政は希望や可能性を信じる姿勢を示しました。
幼少期に地獄のような環境で育ちながらも、紫夏の犠牲を通して人の温かさを知った経験が、この信念を形作っています。闇を知ったからこそ語れるこの言葉は、政の生き方を象徴する強いメッセージとなっています。
1-8. 「“弱さ”があるから本当の“強さ”を知れるんだ」(河了貂)
初陣で敵を射抜けず、自分の弱さに打ちひしがれる仁に寄り添い、河了貂は励ましの言葉をかけました。弓の腕前があっても命を奪う現実に震えるのは自然なことだと認め、その上で成長の糧にできると示した場面です。
自身も作戦で仲間を犠牲にした苦しみを背負っているからこそ語れる言葉であり、飛信隊の仲間を信じ、弱さと向き合って強くなる姿勢を象徴する一幕となっています。
1-9. 「ちなみに俺は百を見せてやる!」(信)
飛信隊を率いる信が示したのは、自ら先頭に立って仲間を鼓舞するリーダーとしての姿でした。民兵たちが限界以上の力を振り絞る姿を見て、自分たちもさらに出し切るべきだと部下に求めた上で、自らはその何倍もの力を見せると宣言します。
口先だけでなく行動で示す信念は、部下の士気を大きく高め、誰もがついていきたいと思えるリーダー像を体現していました。組織で働く人にとっても勇気を与える場面です。
1-10. 「“法”とは願い! 国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」(李斯)
李斯が昌文君に語ったのは、法を単なる刑罰の道具ではなく、国家が国民に望む理想の姿を示すものとして捉える考えでした。中華統一を目指す上では、戦の勝敗だけでなく、その後の統治を支える法の在り方こそが重要だと示しています。
民の理想を形にするという視点は、法治国家を築くための指針であり、現代社会にも通じる深い示唆を与える言葉として重みを持っています。
2. ビジネスでも使えるキングダムの名言4選
「キングダム」の名言は、ビジネスの場面にも通じる示唆に富んでいます。リーダーシップや仲間との信頼関係、挑戦を恐れない姿勢など、ここからはビジネスシーンに生かせる言葉を紹介します。
2-1. 「武将への道は犠牲の道です。そこを乗り越える度に、人も隊もより強くより大きくなるのです」(王騎)
龐煖の奇襲で多くの仲間を失い、絶望する信の前に現れた王騎が語ったのは、犠牲を背負うことも将としての道であるという教えでした。大切な存在を失った痛みは計り知れませんが、その経験を糧として人も組織も強くなれるという視点は、信の成長を促す大きな言葉となります。
人生やビジネスでも挫折や損失を避けられない場面はありますが、それを次につなげることの大切さを示すメッセージです。
2-2. 「やっぱり 俺たちにしかできないことが 今目の前にある 今日はひどい死闘になるぞ」(蒙恬)
普段は柔和で穏やかな蒙恬ですが、壮絶な戦いを前に部下へ覚悟を促す姿には、楽華隊を率いる将としての責任感がにじみます。犠牲を覚悟した上で勝利のための選択を下し、それを部下に率直に伝える姿は、信頼と結束を強める力となりました。
ビジネスにおいても、リーダーが苦渋の決断を自ら担い、その理由を示すことで組織は迷わず前に進めます。蒙恬の姿は、決断力と信頼関係の重要性を教えてくれます。
2-3. 「桓騎軍はどんなに下手うったとしても、ぜってェ手ぶらじゃ帰らねェんだよ!」(雷土)
趙軍の砦を焼き討ちに成功した後、雷土が語ったのは桓騎将軍の率いる軍の矜持を示す一言でした。野盗出身の集団でありながら、どのような戦いでも必ず成果を持ち帰るという信念を体現した場面です。
勝利の大きさではなく「必ず結果を残す」という姿勢は、組織やビジネスにおいても大切な考え方です。失敗を恐れるのではなく、必ず学びや成果をつかみ取る姿勢こそが、桓騎軍の強さであり意地でもありました。
2-4. 「皆と共に修羅場をくぐりなさい 素質はありますよ。信」(王騎)
最期の時を迎える王騎が信に託したのは、仲間と共に戦場を駆け抜けて成長せよという教えでした。王騎自身が数々の修羅場を経験し、その中で武将としての器を磨いてきたからこそ伝えられる言葉です。
戦は一人の力ではなく、仲間と共に困難を乗り越えることで真価を発揮するものだと示しています。こうした教えは、組織運営にも通じます。ビジネスにおいてもチームで困難に立ち向かい、共に成長して成果を出すことが、リーダーシップとして求められるスキルと言えるでしょう。
まとめ
「キングダム」に登場する名言は、壮絶な戦いや葛藤の中で紡がれた言葉だからこそ、心に深く響きます。王騎や信、政、紫夏といった登場人物たちが残した言葉は、仲間と生き抜く強さや、理想に向かって突き進む覚悟を教えてくれます。
さらに、仲間を奮い立たせ、困難を必ず成果につなげる姿は、日常やビジネスの現場にも通じる学びがあります。大切なのは、名言をただ知るだけではなく、自分自身の行動に落とし込むことです。挑戦を前に退きそうになるときや、仲間と困難を乗り越えたいときにキングダムの名言を思い出すことで、迷わず前へ進む力を得られるでしょう。
※当記事は2025年9月時点の情報をもとに作成しています