「薬屋のひとりごと」は2026年からTVアニメSeason3が放送予定のほか、2026年12月には映画版も公開予定の、ライトノベルを原作とするミステリ作品です。ビッグガンガンとサンデーGXで漫画が連載中のほか、2026年5月には、作中料理を再現したレシピ本『猫猫の調合書』が発売予定となっています。
作中の主人公・猫猫と並ぶ中心人物が壬氏です。美貌の宦官として後宮の女官やほかの宦官を取り仕切る壬氏ですが、その正体や本当の身分が気になっている方も多いのではないでしょうか。物語の序盤から権限の大きさや所作に違和感を覚えた方もいるかもしれません。
この記事では、壬氏の本当の身分や年齢、宦官を装う目的、身分がバレるのは何巻かといった疑問を整理しつつ、猫猫との関係性や声優・大塚剛央さんの演技の魅力もあわせて紹介します。
1. 「薬屋のひとりごと」の壬氏とは?
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— 『薬屋のひとりごと』アニメ公式 (@kusuriya_PR) June 22, 2025
『#薬屋のひとりごと』
猫猫、壬氏と巡る四季🍃
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毎月22日、猫猫の日🐈に
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6月 あじさい×猫猫と壬氏
カタツムリを見つけて
キラキラ笑顔の猫猫🐌✨#薬屋2期pic.twitter.com/Ydwgee7G54
壬氏は、後宮で強い存在感を放つ、女性と見まがうような美貌と、怜悧な聡明さをあわせ持つ人物です。表向きは後宮を取り仕切る宦官として振る舞っていますが、単に華やかなだけの存在ではありません。
壬氏は人の才能や変化を見抜く観察力に優れており、猫猫が隠していた知識や判断力にも早い段階で気づき、重用するようになります。やわらかな物腰で場を動かす一方、物語が進むにつれて見た目にそぐわない子どもっぽさや苦悩などの簡単には読み切れない奥行きが見えてくるのも壬氏の特徴です。
1-1. 壬氏と猫猫の関係性
壬氏と猫猫の関係は、単純な恋愛や主従の枠には収まらない点が最大の魅力です。壬氏は猫猫に対してたびたび好意をにじませますが、猫猫は甘い態度に流されず、薬や毒、事件の真相にまっすぐ意識を向け続けます。距離が縮まりそうで縮まりきらないやり取りが繰り返されるため、2人の場面には独特の緊張感とユーモアが生まれています。
しばしば猫猫につれない対応を取られ、弄ばれても好意を向けるさまは、作中で「被虐性愛者(マゾヒスト)」と冗談にされます。一方で、巻を重ねるにつれて、猫猫の側も壬氏に憎からぬ思いを感じていく関係性の緩やかなステップアップに思わず笑顔になる読者もいるでしょう。
声優の大塚剛央さんと悠木碧さんもインタビューで、壬氏と猫猫の関係は一筋縄ではいかないと語っており、互いに相手を強く意識しながらも見ている方向が微妙にずれている面白さが、作品の持ち味になっていることがうかがえます。壬氏が猫猫への執着を深めていく一方、猫猫は壬氏の外見や立場よりも本質を見ようとするため、2人の関係は物語を追うごとに印象が変わっていきます。
出典:アニメイトタイムズ「猫猫の考えを理解しすぎてはいけない? 会話の流れやギャップが肝心な演技――『薬屋のひとりごと』壬氏役・大塚剛央さんインタビュー」
1-2. 壬氏の声優・大塚剛央さんのプロフィール
TVアニメ化された「薬屋のひとりごと」で壬氏を演じるのは、やわらかさの中に芯のある声質で壬氏の多面性を巧みに表現している声優の大塚剛央さんです。東京都出身、アイムエンタープライズ所属で、声優アワード新人男優賞の受賞歴もあります。「推しの子」のアクア役、「もののがたり」の岐兵馬役、「風が強く吹いている」の蔵原走役など、近年は話題作への出演が相次いでおり、繊細な感情の揺れや人物の内面を描く演技に注目が集まっています。
壬氏という役について大塚剛央さんは、物語の進行とともに見え方が変わっていく人物だと捉え、早い段階から先の展開を意識しながら演じていたと語っています。外向きには中性的で人を惹きつける雰囲気をまといつつ、猫猫の前では年相応の未熟さや感情の揺れも見せるため、その落差をどう自然に聞かせるかが重要でした。
インタビューでは、監督や音響監督と相談しながら、壬氏のベールが少しずつ剥がれていく感覚を意識して役作りを進めたとも話しています。甘さ、気品、可笑しみ、そして素顔のにじみ方まで含めて壬氏が魅力的に映るのは、大塚剛央さんの緻密な演技設計があってこそです。
出典:アニメイトタイムズ「猫猫の考えを理解しすぎてはいけない? 会話の流れやギャップが肝心な演技――『薬屋のひとりごと』壬氏役・大塚剛央さんインタビュー」
2. 壬氏の正体は?宦官は仮の姿?
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— 『薬屋のひとりごと』アニメ公式 (@kusuriya_PR) October 24, 2024
『#薬屋のひとりごと』
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❖ 壬氏(CV. 大塚剛央)◇
後宮を管理している宦官。
後宮で起きるやっかいごと・問題を
猫猫に持ち込んでは解決させている。 pic.twitter.com/CevEdXoVnk
壬氏は宦官として振る舞っていますが、実際には立場も目的も異なる人物です。後宮を管理する美貌の宦官という印象が強い一方、作中では早い段階から、彼の権限の大きさや所作の上品さに違和感を抱かせる描写が散りばめられています。
壬氏の正体を知ると、猫猫への接し方や後宮で果たしていた役割の見え方も大きく変わります。ここでは、壬氏が身分を隠している理由、本当の年齢、背負っている役目、正体が明かされるタイミングを紹介します。作中のネタバレを含むため、ご注意ください。
2-1. 壬氏の本当の身分は現皇帝の実弟
壬氏の表向きの肩書きは宦官ですが、公的には皇弟「華瑞月」として扱われる皇族です。表向きは病弱で人前に出ないとされながら、裏では壬氏として後宮を取り仕切る役割を担っています。
壬氏がただの宦官ではないことを示す伏線は序盤から多く、園遊会で高貴な身分を示す簪を身に着けていたことや、妃たちや上級官人にも臆さず指示を出せる権限の大きさがその代表例です。美貌だけでなく、皇族にふさわしい教養や判断力を備えている点も、正体を裏づける手がかりになっています。
2-2. 壬氏の実際の年齢は19歳
壬氏は外見や振る舞いから年上の印象を持たれがちですが、実年齢は物語初期の時点で18歳、作中で年が改まった段階では19歳です。周囲に対して年齢を上に偽っているのは、皇族としての素性を隠すためだけでなく、後宮で宦官として活動する上で不自然さを減らす意味合いもあると考えられます。
壬氏に大人びた落ち着きと、猫猫の前で時折覗かせる子どもっぽさが同居しているのは、実年齢を知ると納得できる部分です。
2-3. 壬氏の本当の目的は皇太子の誕生
壬氏が身分を偽ってまで後宮に身を置いている最大の理由は、皇太子の誕生を後押しすることにあります。皇帝にふさわしい妃を見極め、後宮を安定させ、正統な皇太子を無事に誕生させることが、壬氏に課せられた重要な任務です。
壬氏が身分を偽る背景には、自身が皇位継承の有力候補とみなされる立場を避けたいという思いがあります。自らが前に出るのではなく、正統な継承が成り立つよう内側から支える姿勢は、壬氏の聡明さと責任感をよく表しています。壬氏が猫猫を重用したのも、後宮で起きる毒や陰謀の問題に対処し、妃や皇子の安全を確保するためでした。
2-4. 壬氏の身分がバレるのは何巻?
壬氏の身分がはっきりと明かされる場面を知りたい方にとって、原作小説13巻が大きな区切りになります。猫猫は以前から壬氏の言動に違和感を覚えていましたが、決定的な情報に触れたことで、壬氏が単なる宦官ではないと確信する段階に至ります。ただし、壬氏の正体に関する伏線はかなり早い時期から張られているため、「何巻で完全に明かされるか」と「読者が違和感を確信に変えるタイミング」は必ずしも一致しません。
壬氏の正体は一度に明かされるのではなく、後宮での役割、年齢の偽装、皇族としての立場といった情報が少しずつつながって全体像が見えてくる構成になっています。そのため、正体が明らかになっていく過程そのものが、作品の大きな見どころの1つです。
なお、宦官という仮の姿は壬氏の神秘性を演出するための設定ではなく、後宮と皇位継承をめぐる事情に深く結びついた必然的な役目です。正体を知った上で読み返すと、壬氏の言葉や行動に別の意味が浮かび上がり、作品の面白さがいっそう増します。
3. 壬氏はミステリアスなだけではない魅力的なキャラクター
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— 『薬屋のひとりごと』アニメ公式 (@kusuriya_PR) December 22, 2025
『#薬屋のひとりごと』
切り抜き動画プレイバック✨
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「壬氏さま なんでここにいるんです?」
―第1期 / 第24話より
TVアニメ『薬屋のひとりごと』
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壬氏の魅力は、謎めいた美しさだけでなく、完璧に見えてどこか不器用な人間味にあります。後宮では誰もが見とれるほどの容姿と気品を備え、宦官として隙のない立ち居振る舞いを見せる一方、猫猫の前では思うようにいかず、年相応の少年のように嫉妬したり拗ねたりする場面も少なくありません。相手の能力を的確に見抜く眼力や、状況に応じて立ち回る頭の切れを持ちながら、恋愛に関しては空回りしてしまいます。その落差が、壬氏を遠い存在ではなく、感情移入しやすい人物にしています。
また、壬氏は身分の高さや美貌に頼って人を動かすだけの人物でもありません。猫猫に対してはからかうように近づきながら、危険が及びそうな場面ではためらわず守ろうとします。軽やかに見える態度の奥には、確かな責任感と思いやりがにじんでいます。立場上多くを隠して生きているからこそ、猫猫の前でこぼれる素直さや焦りが際立ち、人物像に深みを与えています。美しさ、聡明さ、ユーモア、不器用さが重なり合う壬氏は、知れば知るほど印象が変わる、奥行きのあるキャラクターです。
まとめ
壬氏は、美貌の宦官という仮の姿の裏に、皇族としての立場や皇太子誕生という重い使命を抱えた人物です。正体にまつわる伏線は序盤から丁寧に張られており、真実を知った上で読み返すと、壬氏の言動一つひとつに新たな意味が浮かび上がります。また、完璧に見えて猫猫の前では不器用になる人間味も、多くのファンを惹きつけている理由です。壬氏の正体や関係性の変化を意識しながら作品を追うことで、薬屋のひとりごとの奥深さをより一層楽しめるでしょう。
※当記事は2026年3月時点の情報をもとに作成しています






