応援歌は、置かれている場面に合わせて選ぶと、沈んだ気持ちを立て直す力になります。大事な試合の直前や、成績が伸びない受験期に、力をくれる曲を探したくなる瞬間は誰にでも訪れます。当記事では、応援歌という言葉の意味を整理した上で、定番、スポーツや部活、受験や仕事の3つの場面に分けて、おすすめの20曲を紹介します。
1. 応援歌とは?応援ソングとの違い
応援歌は、競技で味方の選手やチームを励ますため歌う曲を指します。 野球やサッカーのスタンドで歌われる曲や、学校やチームに代々受け継がれてきた歌が本来の応援歌にあたります。甲子園でおなじみのブラスバンド演奏や、プロ野球の選手別応援歌などが代表的です。
現在は、部活動や受験、仕事といった日常の場面で個人を励ます曲も、応援歌や応援ソングと呼ばれています。誰かを応援するために歌う曲と、自分を支えるために聴く曲が、同じ「応援歌」として扱われている点が特徴的です。この記事では後者、つまり聴いて前向きになれる楽曲を取り上げます。
2. 誰もが知る定番の応援歌8選
応援歌には発表から20年以上が経っても、合唱やイベントで選ばれ続けている曲がある一方で、動画を通じて新しい世代へ届き、定番に加わった曲も多くあります。ここでは、誰もが知る定番の応援歌を8曲紹介します。
2-1. 栄光の架橋/ゆず
結果よりも、そこにたどり着くまでの時間を肯定してくれる一曲です。 ゆずの「栄光の架橋」は2004年に21枚目のシングルとして発売され、NHKのアテネオリンピック中継のテーマ曲として広まりました。
誰も見ていない場所で続けた練習や、折れかけた気持ちを励ます構成が、世代を超えて歌い継がれてきた理由です。勝負の直前よりも、積み重ねた日々を確かめたいときに響きます。 テンポがゆるやかで、合唱でも歌いやすい曲です。
2-2. 負けないで/ZARD
ZARDの「負けないで」は1993年1月に発売され、30年を迎えた2023年には、公式チャンネルでフルサイズのミュージックビデオが公開されました。挫けそうな気持ちをまっすぐ押し返す、世代を問わない定番の応援歌です。 坂井泉水さんの澄んだ歌声と、一度聴けば覚えられるサビの旋律が、合唱やイベントで選ばれ続ける理由です。歌詞をすべて覚えていなくても口ずさめる親しみやすさが、この曲の強みになっています。
2-3. ファイト!/中島みゆき
中島みゆきさんの「ファイト!」は1983年のアルバム『予感』に収録され、勇ましさよりも、日常の苦しさに寄り添うタイプの応援歌です。 1994年に「空と君のあいだに」との両A面シングルとして発売されました。
前に出ようとする人を冷ややかに見る視線まで描きながら声を掛ける構成が、明るい定番曲との違いです。励ましの言葉が素直に入ってこない日ほど、静かに効いてきます。 気持ちを高めるというより、踏みとどまるために聴きたい1曲だと言えるでしょう。
2-4. TOMORROW/岡本真夜
岡本真夜さんの「TOMORROW」は1995年に発売されたデビュー曲で、TBS系ドラマ「セカンド・チャンス」の主題歌に起用され、ミリオンヒットとなりました。涙を流した経験そのものを力に変えてくれる王道の応援ソングで、難しい言葉を使わない歌詞と明るいメロディーが、学校行事や合唱でも歌い継がれてきた理由です。沈んだ状態から気持ちを引き上げたいとき、最初の一曲に向きます。 世代を問わず知られており、みんなで歌う場面でも選びやすい曲です。
2-5. YELL/いきものがかり
いきものがかりの「YELL」は2009年9月に発売され、第76回NHK全国学校音楽コンクール中学生の部の課題曲として広まりました。旅立つ人を見送る側の気持ちまで描いた応援歌です。別れと出発を同じ曲の中で描く構成が、卒業以外の場面でも響く理由です。進路や環境が変わる時期に聴き、ばらばらだった気持ちを整理できたという方も多いでしょう。
2-6. あとひとつ/FUNKY MONKEY BABYS
FUNKY MONKEY BABYSの「あとひとつ」は、一歩が出ないときに、踏ん張る力を思い出させる応援歌です。当時東北楽天ゴールデンイーグルスに在籍していた田中将大選手がジャケットに登場したことで話題になりました。野球関連の番組で繰り返し使われ、選手の登場曲として使われることも多い曲です。
本番までの数分で気持ちを切り替えたい場面に向きます。 テンポが速く言葉も直球で並ぶため、聴きながらそのまま走り出せる1曲でしょう。
2-7. 何度でも/DREAMS COME TRUE
DREAMS COME TRUEの「何度でも」は、倒れた回数を数え直して、もう一度立ち上がるための応援歌です。 2005年2月に35枚目のシングルとして発売されました。同じ言葉を重ねるサビには、大勢で歌うほど一体感が生まれます。壮大な言葉で鼓舞するのではなく、何度でもやり直してよいと伝える一点に絞った構成です。
繰り返しのフレーズが、考えすぎて動けなくなった状態をほぐします。 失敗した直後よりも、やり直すと決めた日に聴くと言葉がより胸に響くでしょう。
2-8. 君に捧げる応援歌/HIPPY
広島を拠点に活動するHIPPYさんの「君に捧げる応援歌」は、発表当時は代表曲ではなく、リリースから約10年をかけて広まりました。曲名を知らないまま、どこかで聴いたことがあるという方も多いでしょう。
YouTube、TikTok、ストリーミングでそれぞれ1億回再生を超え、2020年にはプロ野球選手の登場曲のタイトル別ランキングで1位に入っています。人から人へ手渡されるかたちで広まった経緯が、この曲の性格を表しています。
3. スポーツ・部活で聴きたい応援歌6選
試合や練習の直前は、曲のテンポと勢いがそのまま気持ちの準備につながります。ゆるやかな曲では気持ちが上がりきらず、速すぎる曲では力んでしまうということもあります。ここでは、スポーツや部活で聴きたい応援歌を6曲紹介します。
3-1. 第ゼロ感/10-FEET
試合が始まる直前の高揚感に、そのまま重なる一曲です。 10-FEETの「第ゼロ感」は、映画『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディング主題歌として2022年11月に配信されました。イントロから勢いよく走り出す構成で、ウォーミングアップやテンポの速い練習の場面に合います。
バスケットボール以外の競技でも、集中へ切り替える合図として使えます。 音量を上げて聴くほど効果が出る1曲でしょう。
3-2. 宿命/Official髭男dism
Official髭男dismの「宿命」は、勝敗の手前にある、積み重ねの時間を肯定する応援歌です。 2019年のABC夏の高校野球応援ソング、および「熱闘甲子園」のテーマソングとして発表されました。華やかなホーンセクションと、泥くさい日々を描く歌詞との落差が聴きどころです。
悔しさを抱えたまま次の大会へ向かう人にも届きます。 大会前の練習期間から聴き込んでおくと、当日の景色が変わってきます。
3-3. ワタリドリ/[Alexandros]
[Alexandros]の「ワタリドリ」は、言葉の意味を追わなくても、音の勢いで気持ちが上がる1曲です。2015年に発売された10枚目のシングルの表題曲で、風雨の中を飛び続ける渡り鳥を題材にしながら、疾走感のあるギターと英語まじりの歌が最後まで速度を落としません。
歌詞に集中しなくてよいぶん、体を動かしながら流す場面に向きます。 走り込みや移動中など、リズムを保ちたい時間と相性のよい一曲でしょう。
3-4. 最高到達点/SEKAI NO OWARI
SEKAI NO OWARIの「最高到達点」は、2023年にテレビアニメ『ONE PIECE』の主題歌として発表された、限界の一歩先を目指す場面に合う応援歌です。 弱さを抱えたまま誰よりも高く飛ぶという視点が歌い出しから示され、自分を責めがちな時期の支えになります。仲間と挑む団体競技の前に、全員で聴く使い方もできます。
勢いで押し切る曲というより、気持ちを立て直してから挑みたい場面に向く1曲です。
3-5. BOW AND ARROW/米津玄師
大舞台へ送り出す張り詰めた時間を、そのまま音にした一曲です。 米津玄師さんの「BOW AND ARROW」は、フィギュアスケートを題材にしたテレビアニメ『メダリスト』のオープニング主題歌として2025年に公開されました。公式ミュージックビデオには羽生結弦さんが出演し、氷上の演技と曲が重なります。弓矢になぞらえた曲名どおり、狙いを定めてから放つまでの集中を描いた一曲です。 本番直前に気持ちを固めたい競技者に向いています。
3-6. アドベンチャー/YOASOBI
YOASOBIの「アドベンチャー」は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのキャンペーン「ユニ春」のテーマソングとして書き下ろされた楽曲で、挑戦そのものを楽しむ気持ちを引き出す一曲です。明るく駆け出すサウンドは、練習前や会場までの移動中に合います。結果ばかりを意識してしまう日に、競技を始めた頃の感覚を思い出させます。
4. 受験・仕事を乗り越える応援歌6選
受験や仕事は結果が出るまでに時間がかかり、勢いだけでは走り切れません。そんな時、長い期間を並走してくれる曲や、うまくいかなかった日を否定しない曲が支えになるでしょう。ここでは、受験や仕事を乗り越える応援歌を紹介します。
4-1. 水平線/back number
back numberの「水平線」は、報われなかった努力に、まず寄り添ってくれる1曲です。新型コロナウイルスの影響で2020年のインターハイが中止となった際、運営を担っていた高校生から届いた手紙を受けて、清水依与吏さんが制作しました。慰めや励ましを先に置かず、悔しさをそのまま認める姿勢が貫かれています。
結果が出なかった日の夜に聴くと、気持ちの置き場所が見つかります。 立ち直る前の段階に寄り添う1曲です。
4-2. ケセラセラ/Mrs. GREEN APPLE
Mrs. GREEN APPLEの「ケセラセラ」は、思うように進まない日々を抱えたまま、前へ進むための曲です。 2023年4月にABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ「日曜の夜ぐらいは…」の主題歌として配信されました。
曲名は「なるようになる」という意味で使われる言葉です。重く構えずに口ずさめる言葉が並び、聴く側に気合いを求めません。長期戦になる受験期でも、毎日聴いて疲れない軽さがあります。
4-3. のびしろ/Creepy Nuts
Creepy Nutsの「のびしろ」は、結果がまだ出ていない段階の自分を肯定してくれる1曲です。年齢を重ねることを後ろ向きに捉えず、まだ伸びる余地しかないと言い切る言葉が続きます。
語りかける口調のラップで、机に向かいながらでも聴ける曲です。成績や評価が伸び悩む時期ほど、見方を切り替える助けになります。
4-4. 明日はきっといい日になる/高橋優
高橋優さんの「明日はきっといい日になる」は2015年に発売され、その後もCMソングとして繰り返し起用されてきました。夜、一日を終えるときに、明日を迎える力をくれる1曲です。 大きな成功よりも、日常のささやかな場面を積み上げていく歌詞が特徴的で、状況を変えられない夜でも、気持ちだけは整えたいときに向きます。落ち込んだ日の帰り道に聞きたい曲です。
4-5. できっこないを やらなくちゃ/サンボマスター
サンボマスターの「できっこないを やらなくちゃ」は、自信を失った場面を、正面から押し返す応援歌です。 テレビドラマのイメージソングやCMソングに繰り返し起用され、応援ソングの定番になりました。叫ぶ歌い方と短い言葉の連続が、迷っている時間ごと吹き飛ばします。自分の可能性に自分で線を引いてしまった日に聞きたい1曲です。
4-6. Mela!/緑黄色社会
緑黄色社会の「Mela!」は、誰かを応援する側の気持ちを歌った1曲です。 2020年に配信され、ダリヤ「パルティ カラーリングミルク」のCMソングにも起用されました。
君のヒーローになりたいと歌う視点は、自分を励ます曲が続いたこの章の締めくくりとして、聴く側の立場を切り替えます。支えてくれた人の顔を思い出すと、もう一度机に向かう理由が見つかります。 応援される側から応援する側へ、気持ちを動かしてくれる曲です。
まとめ
応援歌は、競技で声をそろえて歌う曲と、個人の気持ちを支える曲の両方を指します。定番の8曲は世代を問わず通じ、スポーツや部活ではテンポと勢い、受験や仕事では長く並走する曲調が向いています。気になった曲から公式動画を開き、今日の自分に合う一曲を見つけましょう。
※当記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています








