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【2025年版】歴代の日本レコード大賞・最優秀新人賞受賞者一覧

【2025年版】歴代の日本レコード大賞・最優秀新人賞受賞者一覧

日本レコード大賞は、その年の音楽シーンを象徴する楽曲やアーティストを顕彰する、日本の音楽賞の中心的な存在です。とはいえ、「どの年に誰が受賞したのか」「推しがいつ評価されたのか」を思い出そうとしても、情報が点在しており、一度に把握するのは難しいこともあるでしょう。

当記事では、歴代のレコード大賞受賞曲と最優秀新人賞を年ごとに一覧化し、近年の受賞曲について背景やヒット理由も添えて解説します。知りたい年・アーティストをすぐに確認できるため、ファンはもちろん、年代別に音楽史を振り返りたい人も参考にしてください。

1. 日本レコード大賞の歴代受賞曲一覧

日本レコード大賞は、その年を象徴する「最も多くの人々に届いた楽曲」が選ばれてきた賞です。美空ひばりさんの「柔」のように時代の空気を映す名曲から、令和のMrs. GREEN APPLEのようにSNS時代に強く支持されるアーティストまで、受賞曲の変遷には日本の音楽トレンドの歩みがそのまま刻まれています。歴代日本レコード大賞の一覧を見ることで、どの年代にどんな音楽が愛されてきたかを一望できます。

受賞曲 アーティスト
第1回 1959年 黒い花びら 水原弘
第2回 1960年 誰よりも君を愛す 松尾和子 / 和田弘とマヒナスターズ
第3回 1961年 君恋し フランク永井
第4回 1962年 いつでも夢を 橋幸夫 / 吉永小百合
第5回 1963年 こんにちは赤ちゃん 梓みちよ
第6回 1964年 愛と死をみつめて 青山和子
第7回 1965年 美空ひばり
第8回 1966年 霧氷 橋幸夫
第9回 1967年 ブルー・シャトウ ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
第10回 1968年 天使の誘惑 黛ジュン
第11回 1969年 いいじゃないの幸せならば 佐良直美
第12回 1970年 今日でお別れ 菅原洋一
第13回 1971年 また逢う日まで 尾崎紀世彦
第14回 1972年 喝采 ちあきなおみ
第15回 1973年 夜空 五木ひろし
第16回 1974年 襟裳岬 森進一
第17回 1975年 シクラメンのかほり 布施明
第18回 1976年 北の宿から 都はるみ
第19回 1977年 勝手にしやがれ 沢田研二
第20回 1978年 UFO ピンク・レディー
第21回 1979年 魅せられて ジュディ・オング
第22回 1980年 雨の慕情 八代亜紀
第23回 1981年 ルビーの指環 寺尾聰
第24回 1982年 北酒場 細川たかし
第24回 1982年 北酒場 細川たかし
第25回 1983年 矢切の渡し 細川たかし
第26回 1984年 長良川艶歌 五木ひろし
第27回 1985年 ミ・アモーレ (Meu amor é…) 中森明菜
第28回 1986年 DESIRE 中森明菜
第29回 1987年 愚か者 近藤真彦
第30回 1988年 パラダイス銀河 光GENJI
第31回 1989年 淋しい熱帯魚 Wink
第32回 1990年 恋唄綴り / おどるポンポコリン 堀内孝雄 / B.B.クィーンズ
第33回 1991年 北の大地 / 愛は勝つ 北島三郎 / KAN
第34回 1992年 白い海峡 / 君がいるだけで 大月みやこ / 米米CLUB
第35回 1993年 無言坂 香西かおり
第36回 1994年 innocent world Mr.Children
第37回 1995年 Overnight Sensation~時代はあなたに委ねてる~ TRF
第38回 1996年 Don’t wanna cry 安室奈美恵
第39回 1997年 CAN YOU CELEBRATE? 安室奈美恵
第40回 1998年 wanna Be A Dreammaker globe
第41回 1999年 Winter, again GLAY
第42回 2000年 TSUNAMI サザンオールスターズ
第43回 2001年 Dearest 浜崎あゆみ
第44回 2002年 Voyage 浜崎あゆみ
第45回 2003年 No way to say 浜崎あゆみ
第46回 2004年 Sign Mr.Children
第47回 2005年 Butterfly 倖田來未
第48回 2006年 一剣 氷川きよし
第49回 2007年 蕾 (つぼみ) コブクロ
第50回 2008年 Ti Amo EXILE
第51回 2009年 Someday EXILE
第52回 2010年 I Wish For You EXILE
第53回 2011年 フライングゲット AKB48
第54回 2012年 真夏のSounds good ! AKB48
第55回 2013年 EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~ EXILE
第56回 2014年 R.Y.U.S.E.I. 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
第57回 2015年 Unfair World 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
第58回 2016年 あなたの好きなところ 西野カナ
第59回 2017年 インフルエンサー 乃木坂46
第60回 2018年 シンクロニシティ 乃木坂46
第61回 2019年 パプリカ Foorin
第62回 2020年 LiSA
第63回 2021年 CITRUS Da-iCE
第64回 2022年 Habit SEKAI NO OWARI
第65回 2023年 ケセラセラ Mrs. GREEN APPLE
第66回 2024年 ライラック Mrs. GREEN APPLE

出典:日本作曲家協会「日本レコード大賞 歴代大賞一覧」

ここからは、日本レコード大賞を受賞した過去3年の受賞作品について紹介します。

1-1. 【2022年】Habit/SEKAI NO OWARI

「Habit」は、映画「ホリック xxxHOLiC」の主題歌に起用された楽曲で、癖のあるダンスとフレーズが話題を呼びました。SNSでの拡散力も強く、YouTubeでは年間1位、TikTokでは総再生25億回を超えるなど、まさに社会現象級のヒットになりました。

通算18枚目のシングルにして、SEKAI NO OWARIが初めてレコード大賞を受賞した作品です。歌詞に込められた「悪癖を壊す」という強いメッセージ性も評価され、その年を代表する一曲となりました。

1-2. 【2023年】ケセラセラ/Mrs. GREEN APPLE

「ケセラセラ」は、ドラマ「日曜の夜ぐらいは…」の主題歌として放送前から注目を集め、自己最速でストリーミング2億回を突破した楽曲です。サブスク主要3サービスで「今年最も聴かれたアーティスト1位」に輝くなど、Mrs. GREEN APPLEはまさに2023年の音楽シーンを象徴する存在になりました。

また、結成10周年という節目に初の大賞受賞を果たしました。「なるようになるさ」という前向きなメッセージを携えたこの曲が、多くの人に届いた一年でした。

1-3. 【2024年】ライラック/Mrs. GREEN APPLE

「ライラック」は、テレビアニメ「忘却バッテリー」のオープニング曲として放送開始直後から話題をさらい、ストリーミング累計3.6億回を突破したヒット曲です。昨年の「ケセラセラ」を上回るスピードでの再生記録更新となり、その勢いのまま2年連続で日本レコード大賞を受賞しました。

日本レコード大賞の66年の歴史において、バンドとしては史上初となる連覇の快挙です。青春のきらめきと迷いを軽やかなサウンドと確かな歌唱力に乗せて描いたこの一曲は、2024年の象徴的な楽曲となりました。

2. 歴代最優秀新人賞の受賞者一覧

最優秀新人賞は、その年に鮮烈な存在感を放った「未来の主役」に贈られる賞です。舟木一夫さんや都はるみさんのように、その後の音楽界を築いた大スターが名を連ねる一方で、時代ごとに流行や音楽性の変化が如実に反映される点も特徴的です。歴代最優秀新人賞受賞者の一覧を眺めることで、どの年に誰が衝撃的なデビューを飾り、どんな楽曲が最初に時代に受け入れられたのかを俯瞰できます。

受賞曲・アーティスト
第4回 1962年 「なみだ船」北島三郎 / 「下町の太陽」倍賞千恵子
第5回 1963年 「学園広場」舟木一夫 / 「高校三年生」舟木一夫 /
「島のブルース」三沢あけみ / 「私も流れの渡り鳥」三沢あけみ
第6回 1964年 「君だけを」西郷輝彦 / 「17才のこの胸に」西郷輝彦 /
「アンコ椿は恋の花」都はるみ
第7回 1965年 「女心の唄」バーブ佐竹 /
「愛して愛して愛しちゃったのよ」田代美代子
第8回 1966年 「空に星があるように」荒木一郎 /
「赤い風船」加藤登紀子
第9回 1967年 「恋人と呼んでみたい」永井秀和 /
「世界は二人のために」佐良直美
第10回 1968年 「あなたのブルース」矢吹健 / 「くちづけが怖い」久美かおり /
「恋の季節」ピンキーとキラーズ
第11回 1969年 「夜と朝のあいだに」ピーター
第12回 1970年 「もう恋なのか」にしきのあきら
第13回 1971年 「私の城下町」小柳ルミ子
第14回 1972年 「芽ばえ」麻丘めぐみ
第15回 1973年 「わたしの青い鳥」桜田淳子
第16回 1974年 「逃避行」麻生よう子
第17回 1975年 「心のこり」細川たかし
第18回 1976年 「思い出ぼろぼろ」内藤やす子
第19回 1977年 「帰らない」清水健太郎
第20回 1978年 「かもめが飛んだ日」渡辺真知子
第21回 1979年 「私のハートはストップモーション」桑江知子
第22回 1980年 「ハッとして!Good」田原俊彦
第23回 1981年 「ギンギラギンにさりげなく」近藤真彦
第24回 1982年 「100%…SOかもね!」シブがき隊
第25回 1983年 「気まぐれONE WAY BOY」THE GOOD-BYE
第26回 1984年 「恋はじめまして」岡田有希子
第27回 1985年 「C」中山美穂
第28回 1986年 「仮面舞踏会」少年隊
第29回 1987年 「キミはどんとくらい」立花理佐
第30回 1988年 「DAYBREAK」男闘呼組
第31回 1989年 「ふりむけばヨコハマ」マルシア
第32回 1990年 「愛されてセレナーデ」ヤン・スギョン / 「一円玉の旅がらす」晴山さおり /
「さよなら人類」たま / 「お祭り忍者」忍者
第33回 1991年 「やせがまん」唐木淳 / 「想い出の九十九里浜」Mi‐Ke
第34回 1992年 「大阪すずめ」永井みゆき / 「You’re the Only…」小野正利
第35回 1993年 「Get Along Together」山根康広
第36回 1994年 「海峡恋歌」西尾夕紀
第37回 1995年 「桃と林檎の物語」美山純子
第38回 1996年 「アジアの純真」Puffy
第39回 1997年 「precious delicious」知念里奈
第40回 1998年 「抱いてHOLD ON ME!」モーニング娘。
第41回 1999年 「SHOOTIG STAR」八反安未果
第42回 2000年 「箱根八里の半次郎」氷川きよし
第43回 2001年 「Paradox」w-inds.
第44回 2002年 「WILL」中島美嘉
第45回 2003年 「もらい泣き」一青窈
第46回 2004年 「さくらんぼ」大塚愛
第47回 2005年 「BLOOD on FIRE」AAA
第48回 2006年 「三日月」絢香
第49回 2007年 「都会っ子純情」℃-ute
第50回 2008年 「海雪」ジェロ
第51回 2009年 「ガラガラGO」BIGBANG
第52回 2010年 「夢見る 15歳」スマイレージ
第53回 2011年 Fairies
第54回 2012年 家入レオ
第55回 2013年 新里宏太
第56回 2014年 西内まりや
第57回 2015年 こぶしファクトリー
第58回 2016年 iKON
第59回 2017年 つばきファクトリー
第60回 2018年 辰巳ゆうと
第61回 2019年 BEYOOOOONDS
第62回 2020年 真田ナオキ
第63回 2021年 マカロニえんぴつ
第64回 2022年 田中あいみ
第65回 2023年 FRUITS ZIPPER
第66回 2024年 こっちのけんと

出典:TBSテレビ:輝く!日本レコード大賞「歴代受賞者一覧」

出典:日本作曲家協会「日本レコード大賞 歴代大賞一覧」

ここからは、歴代最優秀新人賞の受賞者について紹介します。

2-1. 【2022年】田中あいみ

田中あいみさんは、京都府出身・現役女子大生として異例のタイミングでデビューした演歌歌手です。2019年のオーディションでグランプリを受賞し、細川たかしさんに師事。2021年11月に「孤独の歌姫」で鮮烈なデビューを飾ると、そのハスキーでソウルフルな歌声が「演歌界に新風を吹かせた」と話題になりました。

2022年には「大阪ロンリネス」などの積極的な作品発表を重ねる中、第64回日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞しました。「演歌界のギャル」として、王道に新しい風を組み合わせる存在です。

2-2. 【2023年】FRUITS ZIPPER

FRUITS ZIPPERは、アソビシステムの新プロジェクト「KAWAII LAB.」から2022年に誕生した、「原宿から世界へ」を掲げるアイドルグループです。2ndシングル「わたしの一番かわいいところ」がTikTokで爆発的に広まり、総再生9億回超という異例のヒットを記録。

2023年には東京体育館でのアリーナ公演を成功させ、結成からわずか1年半で第65回日本レコード大賞・最優秀新人賞を受賞しました。勢いだけでなく、世界発信を見据えた明確なビジョンも評価された新星です。

2-3. 【2024年】こっちのけんと

こっちのけんとさんは、作詞作曲・映像・デザインまで自ら手がける「緑のマルチアーティスト」です。実体験をもとにした言葉が人の感情を直撃し、聴く人が「自分の話だ」と感じてしまうような共感性の高さが支持されています。

大ブレイクした「はいよろこんで」はSNS総再生200億回超・ストリーミング2.5億回突破・MV1.9億回再生と圧倒的な数字を記録。国内外のチャートを席巻し、Billboard JAPAN「Heatseekers Songs」年間1位にもなりました。独自の表現力と勢いが評価され、第66回日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞しました。

まとめ

歴代の日本レコード大賞と最優秀新人賞を振り返ることで、どの年にどの曲が支持され、どんなアーティストが時代の入口に立ったのかを把握できます。近年の受賞曲は配信が主流のため、気になった曲はそのままストリーミングで聴き返すことが可能です。

受賞をきっかけに作品を聴き返すことで、「当時なぜ評価されたのか」を耳で理解でき、音楽との距離がぐっと近づくはずです。興味のある年・アーティストがあれば、ぜひ実際に聴いてみましょう。

※当記事は2025年10月時点の情報をもとに作成しています