八月納涼歌舞伎

日本の伝統芸能の1つ、歌舞伎の興行は、通常ひと月単位に行われている。毎年8月には、夏の風物詩として「八月納涼歌舞伎」が上演される。通常、歌舞伎の公演は昼の部・夜の部の2部制で4〜5時間という長丁場であるが、「八月納涼歌舞伎」は上演時間が3部制で2時間半と短く、チケットも少し安く提供されている。演目も古典から新作までをコンパクトに網羅していること、幅広い世代に親しまれる豪華な出演者が出演していることからも、毎年歌舞伎初心者にも親しみやすい公演となっている。2016年の演目は「嫗山姥」「権三と助十」「東海道中膝栗毛」「新古演劇十種の内・土蜘」などで、出演者は中村扇雀、中村獅童、中村勘九郎、市川染五郎（10代目 松本幸四郎）、市川猿之助ら。2017年の演目は「刺青奇偶」「修禅寺物語」「東海道中膝栗毛・歌舞伎座捕物帖」「野田版・桜の森の満開の下」などで、出演者は中村勘九郎、市川染五郎、市川猿之助、中村七之助ら。そして、2018年の演目は、第1部に大部屋役者の幸太郎と女郎のお蝶の哀しい恋物語「花魁草」、松本幸四郎と市川染五郎（松本金太郎）親子による勇烈な舞踊「龍虎」、笑いを誘う世話狂言「心中月夜星野屋」の3演目と、わかりやすい演目が揃った。また、第2部は「東海道中膝栗毛」と「雨乞其角」、第3部は「盟三五大切」である。出演者は中村扇雀、松本幸四郎、中村獅童、中村七之助、市川中車などの豪華な顔ぶれであった。