ファントム

「ファントム」は、ブロードウェイミュージカル「オペラ座の怪人」を宝塚歌劇団流にアレンジしたミュージカル。2004年に宙組で初演後、そのあまりの衝撃と感動に再演希望が殺到し、2006年花組、2011年花組、2018年雪組と再演された。難易度の高いナンバーが多いことから和央ようか、春野寿美礼、蘭寿とむと歴代の歌うまトップスターが主演を務めることが多い。舞台は19世紀後半のパリ、オペラ座。ヒロインであるクリスティーヌの歌声に魅了されたフィリップが彼女をオペラ座に呼び寄せる。当時劇場近くの沼のほとりに潜んでいた「オペラ座の怪人」ことエリック（ファントム）は、彼女の歌声を聴き、その才能に惚れ込み歌の指導をすることになる。その後、彼女が大役を務める舞台の初日で、彼女の才能に嫉妬したプリマドンナのカルロッタの罠により声が出なくなってしまう。その事実を知り怒り狂ったファントムは、彼女を自分の棲家へと連れ去る。ファントムからクリスティーヌへの痛々しいほどの愛情だけでなく、彼の父で元支配人のジェラルド・キャリエールとの家族のきずなも描かれている。悲恋ものではあるが、ハートフルな心を動かす作品である。